大谷吉継 短編

□まだ君の幸せを願えない
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私が短大の看護学科に入学して今年で4年もうすぐで卒業だ、国家試験を控えている私たちの学年は忙しい

学校の帰り、買い物でもしようと思い1人で最寄駅に向かっていた。





駅の改札を通り、ホーム側に足を進めようとしたその時

洋服のポケットに入れていたマナーモードにしたままだったの携帯のバイブ音が耳にはいった

画面には、先ほどまで学校で一緒にいた友達からの着信だった

「もしもし、どうしたの?」

「あ、もしもし?ちょっと今日の合コンのメンバーが1人足りないのだよね」

「えー、私やだからね合コンなんて」

「はぁ、だよね。凸子は、別れた彼氏様が忘れられないんですよねー」

「今それ関係ないでしょっ」

「いい加減に新しい出会いみつけたら?」

「はいはい、じゃね。」


私は、高校1年生の頃に一度だけ彼氏がいたことがあった。

付き合っていた彼氏は当時大学生だった、知り合ったのも偶然だった

初めて出来た彼氏に私は浮かれていたのかもしれない

ある日突然、その彼から別れを告げられてしまったのだ

ただの遊びだったのか、愛想を尽かされたのか、はたまた好きな人が出来たのか

それは、彼しか知りえないことで、突然のことだった。

連絡も途絶えてしまい、別れてからは一度もすれ違ったこともなければ

噂を耳にしたこともなかった。それでもいまだに、彼が忘れられないでいる。


強制的に電話を終わらして携帯をポケットにもどした私は

鞄の中から音楽プレイヤーを出して、イヤホンを耳に付け

音楽プレイヤーから自分の気に入っている音楽を選択しながら

ホームに続く階段を、上がろうとしたその時

杖を片手に持った男性が階段を上ろうとしていた、足が悪いみたいで

かなり上がるのに苦労していた、このホームに上がるにはここの階段と

向かい側にあるエスカレーターのある階段がある

駅の端にはエレベーターだてある、しかしいま階段を上がろうとしている男性は

この駅をあまり利用しないのか、入った改札のすぐ近くにあった階段から

ホームに上がろうとしていた。
 

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