捧げ・頂き・リク小説

□寝ても覚めても
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最近よくあの頃の夢を見る

天人と俺達、人間の攘夷戦争の頃



俺とアイツが出会った頃の夢 ―――



「晋助!」

名前を呼ばれ振り向く。
それと同時に身体に衝撃が走る。


ドサッ

「いっ…総悟、少しは後のことを考えやがれ。身体もでかくなったんだしよォ」



怒りながらも、優しく微笑む晋助。


「おかえりなせェッ!怪我してやせんかッ」

晋助の上で抱きつきながら戦場から帰ってきた晋助を心配する総悟。


「どこも怪我してねェよ。」

晋助は優しく頭を撫でてやる。


「相変わらず仲がよいのぉ!わしにも抱きついてくれんかのぉッ!」

そんな甘い時間を過ごしている最中。
空気を読めない辰馬が帰ってきた。


そしてなんの迷いもなく総悟を抱き上げ、ギュッと抱きしめる。

「はなせィ!俺は晋助とくっついてたいんでィ!モジャモジャはあっち行けッ」


そんな反応が可愛くて、足をばたつかせる総悟のうなじに唇を寄せキスをしようとする。

だが、それを黙ってみている晋助ではない。

晋助は立ち上がり総悟を引きはがしてから辰馬に蹴りをいれた。


辺りに凄まじく障子が倒れる音が響く。



「おいおい、なんの騒ぎだぁ?発情期かコノヤロー」

「高杉、障子を壊すな。物価が上がっていて障子も高くなってるんだぞ」

今のデカい音を聞いて銀時と桂がこちらに近づいてくる。


「銀時とヅラ!怪我ねェですかィ?」

晋助の腕の中で怪我の具合を聞く。


「俺が怪我するわけねぇだろ」

「ヅラじゃない、桂だ。…俺があんな雑魚にやられるわけがない。心配は無用だ」

銀時と桂は総悟の問いかけにすぐ答える。

「そうですかィ。それはよかったでさァ」


銀時達に満面の笑みを向ける。
総悟はこの血だらけの戦場に咲くたったひとつの光だ。


晋助達は総悟の笑顔を護るために、総悟を死なせないために死ぬわけにはいかない。
必ず生きてここに、総悟のもとに戻る。
それが、総悟と交わした契りだ。


「総悟、稽古つけてやる。こっちに来い」

晋助は総悟を呼ぶ。

自分たちが死んでも己の身を護れるように。いつかできるであろう護りたいものを護れるように。


そんな皆の考えを知らずに総悟は晋助の後を小走りで追う。
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