拍手夢
□夏の夜の夢
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きらきら 光る
夜空の 星よ
満月が浮かぶ今夜も
じめりと湿気に満ちた熱帯夜。
こんな夜中にすることも無く、
ただ屋根の上に寝転ぶ。
それだけで額には汗が浮く。
「あっつー………」
「言わないでよ、
更に暑く感じるじゃないか」
「んなこと言ったってミスト、
星すら見えないこんな夜だもの」
「要は暇なんでしょ?」
「御察しの通り」
また、生温い風が頬を撫でた。
「仕方ないな…
じゃあ、星明かりで良いかい?」
「いいのよ 明かりなんてつけないで」
「さっきと矛盾してないかい?」
「だってこんな星明かりも無い
真っ黒な世界なんて
あなたに包まれているみたいじゃない?」
夏の夜の夢
「…本物だと暑いかい?」
「それでくたばるなら本望よ」