novel
□赤色のビー玉
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「ンッ・・・・・・はぁ・・・」
ナイフを持つ手に力を入れると、ピリッとした痛みが生まれた。
*
プツリと切れた皮膚の間に、ぷっくりと赤い玉が出来上がった。
それはあっという間に増え、やがて大きなひとつの雫となってこぼれ落ちた。
つっ・・・と流れていく赤をうっとりと眺めながら、ルークは愉しそうに笑った。
手首に出来た赤い路を舌でなぞり、傷口に唇を当てると、ルークはちゅうちゅうと音をたてて血を吸い出した。
「ん・・・・ふっ、ぁはっ」
唇を離すと、血は止まっていた。
それを見て、ルークはつまらなさそうに外に目を向けた。
「ガイー」
ルークは外に居る使用人の名前を呼ぶと、ベッドに倒れ込んだ。
少しして、ガイが窓から現れた。
「どうした、ルーク」
「ねぇガイ、シよ?」
「は?」
ルークの発言に、ガイは己の耳を疑った。
「なぁガイー、ダメか?」
小首を傾げて、上目遣いに自分を見上げてくるルークは、とても煽情的で。
ガイは思わず、ゴクリと喉を鳴らした。
ルークの熱っぽい視線に耐えながら、ガイはルークに訊ねた。
「ルーク、それってどういう・・・」
「なんだよ、わかんねぇのか? もう一度だけ言うぜ ・・・・・・ガイ、抱いて?」
どうなっても知らないぞ? と問うと、ルークは「もちろん」と言って笑った。
ガイとは違って余裕たっぷりな顔をしたルークは、ガイの腕を引っ張ると、自分を跨がせた。
「ねぇ、早くいれて?」
ルークはガイを急かすように誘う。
その一言に理性を断ち切られたガイは、性急にルークの服を脱がし始めた。
*