novel
□相シ相愛
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真っ白いシーツの引かれたベッドに散る朱に、チリ、と視界が歪んだ。
白い壁に散る赤、白い服から立ち上る赤と黒。
チリチリと、目の前の朱が意識を焼いていく。
つう、と冷たい汗が背中を駆け下りていった。
「ガイ」
『ガイラルディア』
チリチリ、焼ける。
思考も判断力も、すべて目の前の朱が焼き尽くしていく。
あぁ、あついあついあつい!
「ガイ」
「……あ」
ピタリ、ひやり。
轟々と音を立てて燃えていた赤い炎が、ぷすぷすと音を立てて萎んでいく。
右手に冷えた感触。
幼子は泣いていた。
「俺のこと、嫌いになった?」
それならいっそ殺して、と。
ふと見ると己の両手はこの子の首に。
涙を拭ってやりたいが
この手が首を離さない。
「ねえ」
にこり。
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