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□ウラオモテマエ
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【Side真由=山ノ上次男】
*真由→妃与(真由の幼なじみ)


今日も妃与が朝迎えに来て、前村と吉野と合流。
女子が騒ぐ。
まただ。
吉野は目立つ。
本人が思っている以上に。

妃与に聞いて初めて知った。

「よしちゃん(妃与の友人)がね、真由くん達ってジャニーズみたいだねって。」

じゃ、ジャニーズ!?アイドル?
冗談じゃねぇ

「・・・吉野が?いや、前村もだろなあ。」

「ん、真由くんも入ってるに決まってるわ」

俺が入ってるのか?ありえない。
俺が不機嫌そうなのが伝わったのか、妃与は気を使って言った。

「今日の、課題やった?山本先生は課題多いから。」

それも頭に入ってこない。
最悪。
俺は中途半端だし、そんな風に言われるのは筋違いだと思う。
吉野と前村は顔がいい。
自分はオマケみたいだと思うのは当然な流れだと思う。
そう考えないようにしてもどこかで引け目を感じていた。最近吉野がしょっちゅう遊びに来るし、みんなも吉野と前村に騒ぐのは仕方ない。

だけど俺も?

「妃与、俺さ。」

「どうしたの?」

「あの二人とは不似合いなのかな」

「ふぅん、真由くんらしくないよ。回りの目は関係ないってのが真由くんよ。真由くんは二人と一緒にいたいでしょ?それでいいの。」

妃与に諭された。こいつはいつも凄いと思う。
ちゃんと答えをくれる。俺はちゃんと言ってくれないとわからない。だからそんな妃与が好きだし、妃与にはそれは言ってないし、いつか伝えるだろう。

「ありがと」

俺が素直になれるのはお前の前だけだ。
妃与は嬉しそうにフフっと笑った。
そして今日も空が高いね、と意味もないことを言った。

これが毎日。

これが日常。


おわり

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