StrikeWitches-太平洋の魔女

□SP07:フジツボの上の語り部
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 鶴見たちはあの後、魔法力の限界に達していたためか丸一日寝込んでしまい、翔鶴に戻ったのは発艦した二日後だった。
「嶋田隊長ぉ…」
「真由…とっても可愛いわよ…」
 もう嫌この軍隊。帰って来るなり、二人は泣きたくなった。たった二日の間に何がどうなったらこうなるのか、誰か説明して欲しいが、誰もそのことを話そうとはしなかった。


 所変わって、リベリオン海軍空母ホーネットの士官室の一室。そこでは、海兵隊のクリスティーナ大尉とアルマ中尉が雑談していた。
「それにしても、クリスでも落とせないウィッチがいるとは驚きだな」
 プレイボーイならぬプレイガール(相手は女限定)。それがクリスティーナの実態だ。それも、光源氏もビックリの攻略実績を誇るリベリオン屈指のだ。そっちの方面ならカールスラントのエースもメじゃない。
「気が強いのとマイペースなのは管轄外でね」
 悔し紛れにクリスティーナが言い訳すると、アルマは爆笑する。
「そいつぁ残念だな!はっはははは…っ!」
 クリスティーナも口では「笑ってくれるなよ」と言っているが、釣られて彼女自身も笑っている。
 この艦には通常艦載機しか搭載されていない。分かり易く言い直すと、ウィッチがいないということになる。扶桑の魔女に手を出したせいだろうか、と反省はするが後悔はしない。男性兵士との不要な接触は禁止されていても、女性同士なら軍規に抵触しないのだから。
 いくら彼女でも、男に興味がないわけではない。初恋自体は男に対してで、普通の女の子だったのだ。
 転機が訪れたのは、欧州派遣部隊として初の対ネウロイ戦闘を経験した頃だ。


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