StrikeWitches-太平洋の魔女

□SP09:Skies of Bravers
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「フレッチャー中将がラバウルへ行った?」
 急ぎエンタープライズへ帰還したエイミーは、着艦してストライカーを外している途中で、走って来た伝令にそう告げられた。今後の作戦や、共同戦闘時での指揮権をどうするかなどを話し合うためらしい。
「どうかしたんですか?」
 送り狼を警戒していたティファニーが安全を確認してから着艦する。エイミーが訳を話すと、電文は届かないのかと聞くが、今は空電ノイズが激しくて無線機器が不調なのだと言う。
 言われて初めて、さっきから通信が安定していなかったことに気付く二人。
「太陽の影響か?」
 空を見上げる。勿論、肉眼でその違いを見分けることなど不可能。要は気分である。
「それを知る術は、残念ながら我々にはありませんので…」
 諦めてしばらく耐えて下さい、と伝令の兵士が言う。自然現象であれば、それで解決する。
「友軍との相互連絡が取れない以上、出撃命令があるまで飛行は控えるとしよう。ティファニー、またサウナに逆戻りだ」
「う〜…、またですかー…」
 日光の反射で今にもうだりそうな甲板よりはマシだと、ティファニーの襟首を掴んで引き擦って行く。第61任務部隊は、海にポツンと浮かぶ孤島と化していた。


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