宇宙

□届かなくて
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小さい頃から貴方の隣に居たのは俺だった

ずっと、貴方と俺は一緒だと思っていた

だけど

ランク、チーム、身分制度が出来て

俺達は変わってしまった

以前は呼び捨てで呼び合っていたのに

貴方に「様」を付けて呼んだり

貴方に忠実に慕う様になった

貴方はキャプテンらしくチームを束ね

頼れるリーダーになった

そこから

俺と貴方は引き裂かれていった

一緒にいれない

隣に居れない

俺にとっては身を抉られたかの様に

辛く過酷な生活が続いた

だけど、まだそれだけなら耐えられた

貴方を想い堪える事が出来た

なのに

貴方は俺でない別の人に寄り添う様に

なってしまった

他のチームのキャプテンで

よく「お似合い」だと周りにも言われ

俺から貴方を奪って行った

幸せそうな顔で微笑む貴方が眩しくて

自然と俺は貴方から離れて行った

離れる事しか出来なかった

これが俺なりの

貴方への愛情表現

愛しく想う貴方の幸せを願って



どうか

俺の分も幸せになってください

俺はそれで満足だから

***

(貴方が幸せななら俺も幸せになれるんだ)



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