白恋
□温もり
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僕は家に帰った。
誰もいない、僕の家に。
家主をなくし冷え切った家。
リビングに貼られたたくさんの二人の写真。
写真の中で幸せそうに笑う二人。
あの写真の世界に入れたら。
どれだけ幸せだろう。
これ以上の幸せはない。
写真を前に動けなくなってしまった。
現実を受け止めたくないのとアツヤの側にいたいのと。
二つの気持ちが入り混じった歪な気持ち。
お願い、独りにしないで。
アツヤのマフラーを強く握り目を強く瞑った。
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