白恋
□疾走
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桜が咲き、僕は白恋中に入学した。
あれから、僕はずっとアツヤのマフラーをしてる。
自立とか言いながらも、これだけは手放す事が出来なかった。
いつもアツヤがしていた軟らかい生地の白いマフラー。
これが、唯一僕とアツヤを繋いでいる絆みたいなものだと思ってた。
クラスにもすぐ馴染み、新しい友だちができた。
サッカー部にも入り、新たな仲間と出会った。
僕のマフラーに疑問を持つ人もいたけど、大して気にはならなかった。
これは、アツヤだから。
アツヤが見てくれてると思うと、何でも頑張れる。
何だってやれる。
僕の精神的支えだった。