薄桜鬼

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第一章 一幕



「お前の処遇が決まった。」

今、自分はまたさっきの人達の前に座っている。
土方歳三っぽい人は

「表向きには幹部の誰かの小姓とするが、実際は何もしなくていい。
小姓になったらそれらしく見せる為に、なるべく近くにいなきゃならねえが、それに異論は認めねえ。
ある程度信頼できるまで監視下に置く。下手に逃げようとしたら斬る。わかったな?」

小姓…って女にも使える言葉だっけ?

「それで、だ。
誰の小姓って事にするかなんだが。逃げようとしたらすぐ斬れる奴がいいな…」

「だったら、総司はどうだ?
剣の腕もあるし、気配にも鋭いから動いたらすぐわかるだろう」

近藤さんがそう提案する。
それに対して

「嫌ですよ、そんなめんどくさい事はいくら近藤さんの提案でもなるべく受け入れたくないです。
それに、そういう細かい事は一君のほうが得意なんじゃないかなあ」

朝、私を起こしにきた人が答える。この人が沖田総司…。

一、と呼ばれた人…斎藤一かな、その人は

「俺はしばらく屯所を離れる仕事があるから無理だ。」

「そういえば、そうだったね。
じゃあ、平助と新八さんは論外だし、左之さんは酔ったらどうなるかわかんないし…」
「おい、俺達が論外ってどういう事だ!」
「2人ともたまにすごく鈍いじゃない。この子が嘘とかついて逃げてもきっと気づかないよ。」
「…っ!」
「じゃあやっぱ土方さんだね。
信頼できない人を近藤さんの傍に置くわけにはいかないし…」

「生憎だが、俺は見せられねぇ書状やらなんやらあるんだ。
それに最近忙しいしな
そんな暇はねぇ。」

やっぱりあの人は土方歳三か…
あの小さい人が藤堂さんで、筋肉な人が永倉さんで…

とりあえず、名前を覚えるぐらいはしておこう。
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