薄桜鬼

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第一章 四幕



私がトリップしてきて半年。

今では此処の生活にも慣れて、屯所内での多少の自由はもらえた。
半年経っても帰れる見込みはなく、これ以上隠していてもいずれ見付かるだろうという事で、私は平隊士の人達にも正式に「一番組組長小姓」として紹介された。
小姓といえども、雑用全般の仕事をさせてもらっている。

一応仕事は真面目にしているからか、ある程度は信用してもらえているらしく、最近になってやっと鞄が帰ってきた。
トリップしてすぐの頃に、平助達が鞄を返してくれるように頼んでも、駄目だったから返してもらえる可能性は低いだろうと思っていたからすごく嬉しい。


鞄からケータイを取り出して、部屋の周りをあちこち撮る。
太陽電池の充電器を携帯してるから、充電はいくらでも出来る

一通り写して、部屋へ戻ると千鶴ちゃんと近藤さんが居た。

「おお、##NANE1##君。待ってたよ」
「あのね、近藤さんがお饅頭をくれたの。一緒に食べよう?」

差し出してくれた饅頭を一口かじる。
「美味しい…!」

頬っぺたが落ちそうな味に、思わず笑顔になる。
 

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