ひじ受け
□癒し
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「今…何つった?」
「だから…俺達、別れようって言ったんだ」
真剣な顔でそう言った彼。
そう言い出すんじゃないかって事は、何となく予想していた。
つい先日、彼…土方十四郎は初恋の人を亡くした。
結ばれる事はなかったが、彼等は確かに想い合っていた。
お互いがお互いのために身を引いた事は、誰が見ても明らかだった。
今、十四郎と付き合っている俺としては、まあ複雑なんだけど。
病弱だった彼女は、女としての幸せを知らずに死んでいった。
十四郎は、そんな彼女の幸せを奪ってしまった。
その事を悔いているのだろう。
自分の手で幸せにする事も、彼女の幸せを奪ってしまった事。
多分両方。
そんな十四郎が、自分だけ恋人を持つ事が許される訳がないと思うのも無理はない事だ。
だからと言って、俺も「はい、そーですか」と別れるつもりはない。
俺はミツバに負けないくらい十四郎を愛している。
そして約束したのだ。