沖田総悟誕生日企画

沖田総悟誕生日企画です。tea ballunの悠季と漆黒の鐘の桜庭のリレー小説です。


テーマは「沖田先生の誕生日を祝うために頑張る土方君」です。

[書込]

07/02(Sat) 21:30
【3】
桜庭ゆら

「おーい、トシ?」


沖田を見ながら考え事をしていた土方は、ゴリラ的友人に呼ばれている事になかなか気づかなかった。



「トシってば!!」

「うぇ!?」


両肩に手を置かれて名を呼ばれ、意識が現実へと戻された。



「な、何?」

「もうすぐ授業終わるけど、書けた?」

「あ……」



沖田の願い事ばかりが気になって、自分の願い事を考えるのを忘れていた土方。

周りを見ると、書き終わったクラスメイト達が笹に短冊を吊している。



「書けなかったヤツは放課後までに書いて吊しとけよ〜」


沖田の言葉が終わると同時に、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。










「願い事……願い事……」


放課後、土方は一人教室で短冊と睨めっこしていた。



「……」


土方にはどうしても叶えたい願い事があった。

一度はその願い事を短冊に書いたが、すぐにくしゃくしゃに丸めてしまった。



【沖田先生の恋人になりたい】


さすがにその短冊を笹に吊す勇気は無かった。




外が茜色に染まってきて、そろそろ帰らないと怒られる時間となった。



「もう、これでいいや!」


【テストでいちばんになりたい】


無難な願い事を書くと、短冊を笹へと吊す。


「あ、沖田先生の短冊」


一番上に吊されている短冊。

そこに沖田の願い事が書かれているのかと思うと気になって仕方ない。


「今なら、見てもバレないかも」


椅子の上に乗ったら見れると思った土方は、自分の椅子を持って行こうとした。



「土方、まだ残ってたのかぃ?」


誰もいない筈の教室で自分以外の声がして、土方がビクンと体を震わす。


「せ、せんせぃ?」

「早く帰んねぇと、母ちゃんに叱られるぜ」

「は、はい!さようなら!」


短冊を見ようとした罪悪感から、沖田の顔をまともに見れずに慌ててランドセルを背負って沖田の横をすり抜ける。


教室のごみ箱にくしゃくしゃに丸めた短冊を捨てると慌ただしく教室から出ていった。

[削除]

06/30(Thu) 21:48
悠季








沖田を祝いたいと気持ちばかりが募ること数日。

結局どうすれば沖田が喜んでくれるのか、土方は未だに悩んでいた。
現在総合の時間、けれど頭の中は沖田のことで一杯だった。
教卓の後ろに立ってしゃべっている意中の人を見ながら、本日何度目かの溜め息を吐く。
何をしたら、彼は喜んでくれるだろう。

沖田に内緒で、クラスみんなとパーティーでも計画しようかなんてことも考えた。
生徒から人気のある沖田だ、彼の誕生日を祝うとあらば、特に女子あたりが張り切ってくれるのではないだろうかと思った。
彼女達の手に掛かれば、きっといい誕生会になるだろう。

でも。
でもやっぱり。

(俺自身で、祝いたい)

みんなでワイワイとした楽しいそれも魅力的だが、やっぱり個人で祝いたいと思うのだ。
なんたって大好きな人の誕生日なんだから。

やはり記念日といえば、何かプレゼントを渡すのが無難だろうか。
勿論小学生の自分に、そんな高価なものなんて買えはしないけれど、でも。
要は気持ち、だろう。
とはいえ沖田の趣味も好きなものも知らないから、何をあげたらいいのかまるでわからないのが実際だ。
沖田が欲しいもの、沖田が望むもの……一体なんだろう。

「ほいトシ」
「え?」

突然前の席のゴリラ的友人から回ってきた、細長い紙。
何事かと思えば、黒板には愛しい人の字で“七夕”の文字が。

(あぁ……そっか)

沖田の誕生日が近づくということは、七夕も迫ってきているということでもあるわけで。
教室の隅には、どこかしらか拝借してきた―――ぶっちゃけ毟ってきたらしい笹が飾ってある。
どうやら今から、そこに飾るための短冊に願い事を書くらしい。
見回せば、既に周りのクラスメイト達は、思い思いの願い事を真剣に書き込み始まっていた。
多分前の席のゴリラ的(2回目)友人は、絶賛片思い中の女の子に関することでも書いているのだろう。

「おきたせんせーは何書いたのー?」

自分は何を書こうかと迷っていたところに、一人の女子から上がったその疑問。
土方は弾かれたように顔を上げた。
沖田も何かを書いたのか。

(せんせーの、願い事……)

それは気になる。
凄く気になる。
だが。

「んー、秘密」

どうやら教えてくれる気はないらしい。
沖田は楽しそうに言って、短冊の穴に紐を通していた。

「えー!秘密ってどーしてー!」
「気になるー!!見せてよー!!」
「じゃあ見られないようにてっぺんに括っておくとするぜィ」
「わーヒドイよせんせー!!」

ちょこっと沖田が背伸びをして短冊を結んでしまえば、背の低い小学生の自分達は、到底それを見ることができない。
当然土方は沖田の書いた内容が気になってしょうがなかったので、その行動には女子達と同じくブーイングしたい気持ちになった。
……が、それよりも、笑いながら女子達の批判を受ける沖田本人に意識を持っていかれてしまっていた。
優しい笑顔で女子達と戯れるその姿は、本当に見惚れるほどカッコよくて。
毎日毎日見ているはずの担任は、毎日毎日見ても最高に幸せな気分にしてくれるのだ。

(……あ、)

もしかしたらあの紙を見れば、沖田の誕生日に向けて何か行動を起こせるかもしれない、と思い当たる。
短冊に書かれていること、つまりは沖田の願い……望むこと。

これは最高の助け舟だ。
利用しない手はないだろう。

[削除]

06/25(Sat) 21:21
【1】
桜庭ゆら





「そういえば……もうすぐ先生の誕生日じゃない?」


クラスの女子達の会話が聞こえてきて、土方はふと視線を上げる。




楽しそうに喋っている女子達の会話の中心は、自分達の担任である沖田先生の誕生日があと少しだという事だ。





土方のクラスの担任、沖田総悟先生。




そんな沖田に片想いしている土方にとって、好きな相手の誕生日は一大イベントである。



男同士だとか教師と生徒だとか、小学生の土方にとっては大した問題ではなかった。


しかし、初めて人を好きになった土方は、どうやって想いを伝えたらいいか分からず、悩んでいた。




沖田先生の誕生日か……
何かお祝い出来たらいいな。


土方は密かにそんな事を思っていた。

[削除]

[先頭へ]
[戻る][TOPへ]
[書込]
[カスタマイズ]



©フォレストページ