土方歳三〜春の月〜
□第四話
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「ここは男所帯なもんでね。ついいつもの癖で。申し訳ありません」
<ナミ>
「あ、あの…」
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「申し送れました。僕は沖田総司と申します」
<ナミ>
「おきた…?」
土方さんも、龍馬さんたちみたく色んな人と一緒に生活してるのかな。
<沖田>
「歳三さんが女の人を連れてきたっていうから、どんな人かと思えば。
可愛いお嬢さんだったんですね」
<ナミ>
「え、あ…」
よくみるとこのお兄さん…すっごい美青年!
それに優しいし。
土方さんとどういう関係なのかな?
<土方>
「おい総司、人の女口説いてんじゃねぇよ」
<沖田>
「あ、歳三さん」
<ナミ>
土方さん、いつの間に。
ていうか女…?
くどく…?
ま、またからかわれてるのかな。
<沖田>
「ひどいなぁ、彼女を頼むって言ったのは歳三さんでしょ」
<土方>
「まぁ違ぇねぇ。
おいナミ。俺はこれからちっと出かけなきゃならねぇ。
必要なもんは総司に言えば何でも出てくるから、いい子で待ってろよ」
<ナミ>
え、これから?
もう夜遅いし…真っ暗だよ?
あ…。
よく見たら土方さん、この前の青い着物を着てる。
もしかしたらこれからお仕事ってこと?
とはいえ、突然連れてこられて…。
いくら沖田さんがいい人でも、心細すぎるよ!