中岡慎太郎〜夢の通い路〜

□第七話
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【中岡慎太郎 第七話】


<ナミ>
あれから色々考えて、私はやっぱり表面上の慎ちゃんとの関係を改めたいと龍馬さんと武市さんに申し出た。

一つは、龍馬さんに私の気持ちを知られてしまったから。
今後いちいち気を使ってもらってたら申し訳なさ過ぎる。

もう一つは、惣之丞さんと仕事を始めるから。
多分、自由が利いた方がいいんだと思う。

それに加えて、もうみんなの中での私の位置づけもなんとなく定まったから、いいんじゃないか、という提案をしてみた。

…もちろん武市さんがいる手前、慎ちゃんのことが好きっていうのはなんとなく濁して誤魔化した。
でもな…ここまで言ったらバレてる可能性もあるよね…。


<武市>
「まぁ、ナミさんがそこまで言うのであれば、そろそろいいでしょう。

しかし…この件最初から乗り気じゃなかったのは、僕の方がよかったから、ということでいいですか?」


<ナミ>
「は、はい!?」

武市さん…私また睨まれちゃうんじゃないかと思ってすんごい緊張してたのに…。
いや、これは私を元気付けるための、武市さんの優しさなんだ。

そういうことに、しておこう。


<龍馬>
「武市!なにを言っとるがじゃ!ナミさんはワシのところに…」


<武市>
「はて。先日引田屋でナミさんに捨てられたとヤケ酒をしてたのは誰だったかな」


<ナミ>
「あのときは本当にすみませんでした…せっかく気を使ってもらったのに」

私慰めてくれた龍馬さんをほったらかしにして、慎ちゃんに怒ってあの場から離れちゃったから。
龍馬さんが傷つくのも無理はないよね…。


<龍馬>
「いや、ナミさんあれは気を使こうたんじゃなくてな…」


<武市>
「まぁナミさんも人のことを言えないってことです」


<ナミ>
「?」

人のこと…?誰のことだろう。


<龍馬>
「と、とにかく!この件については角が立たぬよう、ワシから中岡に伝えちゃるき」


<ナミ>
「…ありがとうございます!」

…。
慎ちゃんは。
この話を聞いてどんな顔をするんだろう。

でもどちらにしろ、さすがに私からは言いづらいから、龍馬さんの申し出は有難かった。
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