頂き物★
□桜祭り
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真っ青な秋の空に、褪せた色の紅葉が踊るように舞う。
気付けば、もう十一月。
...皆は、よく"霜月"って言う。
縁側でひとり空を見上げる私は、
少し冷たい木枯らしの中、
この寒さにちょうど良いくらいに温かいお茶を、一口すすった。
「ふう・・・。」
訳もなく口から零れた溜息は、
冷たい空気に混ざって白いかたまりを作りだす。
「ナミさん?」
...聞き覚えのある、優しげな声。
あ・・・、総司君だ。
私は口の中に少しだけ残ったお茶を、
小さくこくんと飲み込んで後ろを振り向いた。
「寒くないの?」
そう言って苦笑した総司君は、
空のように青い色をした着物を着ていた。
「今日は、見廻りじゃないんだね。」
「え?...ああ、今日は何もないよ。」
「そっか...。」
こうして二人で居るのって、一体何時ぶりなんだろう。
...いつも私はこんな時、何を話していたんだっけ...。
私は手に持っている湯吞みの熱を感じながら、
しばらく黙ってしまった。