土方歳三〜春の月〜
□第二話
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【土方歳三 第二話】
<ナミ>
あれから。
私は坂本龍馬さんという人と、武市半平太さんという人に連れられて、途中色んな人に会って、結局彼らと一緒に寺田屋という宿でお世話になることになった。
というのも…道すがらおかしいとは感じてたんだけれど、どうもここって私が住んでる世界とは違う気がするんだよね。
高杉さんという人は私が未来から来た、とか言ってたけれど…。
そう考えると色々つじつまが合っちゃうから、自分でもびっくりなんだよな。
<慎太郎>
「じゃあ姉さん、おれたちは出かけてくるっス!」
<武市>
「昨日の疲れもあるだろう、ゆっくりしててください」
<以蔵>
「女将にあまり面倒をかけるなよ」
<ナミ>
龍馬さんの知り合いの人たちはみんないい人たちで。
ちょっと変わってるなぁってところもあるけれど、ここは居心地がいい。
「いってらっしゃーい!」
玄関に出ておっきく手を振ると、龍馬さんが振り向いてにこにこと手を振り返してくれた。
うん、やっぱりいい人!
<ナミ>
「さてと…」
私は部屋の掃除をして、それからスクバの中身を整理したりしてみた。
…。
…。
うーん、やることがない。
まだみんな出かけたばかりだし、当分帰ってこないよ。
あ、そうだ。
こんなに天気がいいし、ちょっと近所をお散歩してみよう。
近くなら迷子にならないし、大丈夫だよね。