土方歳三〜春の月〜

□第五話
1ページ/5ページ

【土方歳三 第五話】


<沖田>
「おはよう」


<ナミ>
「あ、沖田さん。おはようございます」

昨日はあんまり眠れなくて、朝もすごい早く目が覚めてしまった。
おふとんを上げて、着替えてぼーっとしてたら沖田さんがご飯に呼びに来てくれた。

あ、そうだ。

「あの、土方さんは?」


<沖田>
「もう帰ってるよ。…そうだ、大変だ…」


<ナミ>
「?」

沖田さんが急に難しそうな顔をする。
なんだろ、土方さんに何かあったのかな…


<沖田>
「歳三さんがまだ起きてこない…」


<ナミ>
「お、起きてこないとダメなんですか?」


<沖田>
「うん。実はね。新撰組には局中法度というものがあって。
その中にあるんだよ。
…寝坊し、朝飯に間に合わなかった者は、

…。
…。

切腹」


<ナミ>
「…せっ…!」

切腹ってあれだよね、あれだよね!?
え、どうしよう!
この時代の人なら本当に切腹しかねないよ!


<沖田>
「歳三さんの部屋はそこを曲がった三番目です。
ナミさん、起してあげて!早く!」


<ナミ>
「は、はいっ!」

私ははじかれたように土方さんの部屋に駆け出す!
っと、ここだよね!

「土方さん!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ