土方歳三〜春の月〜
□第五話
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【土方歳三 第五話】
<沖田>
「おはよう」
<ナミ>
「あ、沖田さん。おはようございます」
昨日はあんまり眠れなくて、朝もすごい早く目が覚めてしまった。
おふとんを上げて、着替えてぼーっとしてたら沖田さんがご飯に呼びに来てくれた。
あ、そうだ。
「あの、土方さんは?」
<沖田>
「もう帰ってるよ。…そうだ、大変だ…」
<ナミ>
「?」
沖田さんが急に難しそうな顔をする。
なんだろ、土方さんに何かあったのかな…
<沖田>
「歳三さんがまだ起きてこない…」
<ナミ>
「お、起きてこないとダメなんですか?」
<沖田>
「うん。実はね。新撰組には局中法度というものがあって。
その中にあるんだよ。
…寝坊し、朝飯に間に合わなかった者は、
…。
…。
切腹」
<ナミ>
「…せっ…!」
切腹ってあれだよね、あれだよね!?
え、どうしよう!
この時代の人なら本当に切腹しかねないよ!
<沖田>
「歳三さんの部屋はそこを曲がった三番目です。
ナミさん、起してあげて!早く!」
<ナミ>
「は、はいっ!」
私ははじかれたように土方さんの部屋に駆け出す!
っと、ここだよね!
「土方さん!」