土方歳三〜春の月〜
□第六話
1ページ/4ページ
【土方歳三 第六話】
<ナミ>
新撰組屯所に来て三日目。
昨日は新撰組の藤堂さんという人が同行してくれて、帰る手がかりを探しに行ったけれど結局何もつかめないまま…
「はぁ」
そんなこんなで私は今日も掃除。
と言っても、行動できる場所が限られてるから、そんなに大変じゃないんだけれど…。
<沖田>
「ナミさん、少し休憩したら?」
<ナミ>
「沖田さん!
…でも土方さん夜まで帰ってこないし…だから、」
<沖田>
「そっか、寂しいんだね。僕しかいなくてごめんよ」
<ナミ>
いや、違う違う違う!
暇なの!
暇なだけ!
寂しいとかじゃないし!
「あ、そういや土方さんて女の人にモテるって聞いたんですけれど、本当なんですか?」
<沖田>
「うん、そうだね」
<ナミ>
「沖田さんより?」
<沖田>
「僕なんかよりずっとモテるよ、歳三さんはね。
あ…こんな話してしまって。
ごめん、傷つけたかな?」
<ナミ>
だからっ!
「沖田さん勘違いしてます!私別に土方さんのことなんとも思ってなくて…!」
<沖田>
「そうなの?」
<ナミ>
…。
そ、そうだよ。
全然、好きじゃないよ…
…多分…。
<沖田>
「じゃあ面白いもの見せてあげる」
<ナミ>
「?」
沖田さんはにこにこしながら手招きする。
なんだろう?