土方歳三〜春の月〜
□第八話
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【土方歳三 第八話】
<ナミ>
んー…。
あ。
朝か…。
そっか、あの後すぐ寝ちゃったんだっけ。
なんか眠い…もうちょっと。
…って。
あれ?
「…っ!」
と、歳三さん!!
私どうなって…?
「っきゃぁぁぁぁぁ!!!」
<土方>
「どうしたっ!?」
<ナミ>
「…」
隣で跳ね起きた歳三さんと顔を見合わせて暫く呆然とする…。
だって、だって私…起きたら歳三さんが隣に寝てて、
それで、腕枕されてて、それで、えっと…。
<土方>
「…ったくお前は…いつも突然起しやがって」
<ナミ>
「う…」
<土方>
「安心しろ。手は出してねぇよ。
俺ぁお前みてぇな子供には興味ねぇからな」
<ナミ>
!
カッチーン!
朝から一言多いっ!
<土方>
「なんだよお前ぇ…抱いてほしいのか?」
<ナミ>
なっ!
な、な、な!
なんでそうなるのっ!
「そんなわけないでしょっ!」
<土方>
「…と、冗談だ、そんなに怒るな怒るな」
<ナミ>
あぁ…。
朝から歳三さんのペースになってしまった…。
昨日の夜はあんなに幸せだと思ったのに。