武市半平太〜花火〜

□第四話
1ページ/4ページ

【武市半平太 第四話】

<ナミ>
なんだかんだでこの時代に来て五日が経ってしまった。
私が未来に戻れる兆しはゼロ。

武市さんは神社へ行こうと言ってくれるのだけれど、また邪魔する人たちがいてたどり着けない。
私が来てから突然その人たちが神社界隈をうろうろし始めたんだって。

確か、新撰組って言ったかな。
ドラマとかで聞いたことがある名前だけれど…。

昨日一回だけ姿を見た。
なんだかよくわからないけれど、すっごい迫力で。
怖かったなぁ…。

あれ見ちゃったら、無理して神社に行こうなんて絶対思わない。
私だけじゃなくて、武市さんまで危ない想いをするなら尚更…。

それにしたって、同じように刀を差していても、武市さんは新選組と違ってとっても優しいオーラなんだよね。
つくづくいい人と巡り合えたなーなんて思っちゃう。


<武市>
「今日は宿で留守番をしていてもいいですよ」


<ナミ>
「そんな、私も行きます!

あ、武市さんが…いいって言うなら、ですけれど…」

武市さんは私と同じ宿屋さんの隣の部屋に泊まっている。
それが私のためだとしたら悪いな、と思ったんだけれど…。

武市さんは、卯之助さんを探すためには自由が利く場所に泊まる方がいいからと言ってくれた。
上司にもそう伝えてあるみたい。


<武市>
「まぁ、来たいと言うなら構いません」


<ナミ>
やった!!

「ありがとうございます!」

一緒にいたって私は何の役にも立たない。
寧ろ面倒をかけてるのは…なんとなくわかってる。

でもいつも気難しそうな顔をしてる武市さんも、私が話しかけると少しだけ笑ってくれるから…。
少しでも笑ってほしくて、私はつい傍にいたくなってしまうの。


<武市>
「行きましょうか」


<ナミ>
「はい!」

今日こそ卯之助さんが見つかるといいな!
そうしたらみんなで夕飯を食べよう。

武市さんの昔の話も聞きたいな。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ