季節イベント用短編集
□ごめんなさいのKissing You
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<龍馬>
どうにも…。
ワシはナミを怒らせてしもうたらしい。
<ナミ>
「もー!信じられない!
頭来た!
龍馬さんなんか、もう知らないですっ!」
<龍馬>
「…。
えぇぇぇぇ、ナミ!!」
ほんの、ほんの出来心だったんじゃ…。
知り合いが料亭へ行こうと誘うから…つい昔の馴染みの芸妓を呼んでしもうた。
それを…
「以蔵の奴!」
ナミに話しおった。
どういてあいつはあぁ気が利かんがじゃ。
別にやましいことしちょらんのだから、黙っておいてくれてもええんかったと違うがか?
<ナミ>
「…やましいことがないのなら、何も隠す必要ないですよね?」
<龍馬>
「…」
っちゅうんがナミの言い分じゃ。
最もすぎてワシゃ歯が立たんぜよ。
けんど、なんちゅーか…。
「もう絶対行かんぜよ!
許してつかあさい」
<ナミ>
「知らない」
<龍馬>
…ガーン。
ほがなことが…。
ど、どういうことぜよ!
ナミがご機嫌ナナメじゃ。
いつもなら…いつもなら笑って許してくれるんに…。
「ナミー!」
<ナミ>
「知りません」
<龍馬>
やっぱり、相手が昔の馴染みだったんがよくなかったんかのぅ…。
酔って少々デレておったのを、以蔵が拡大解釈して語ったんじゃろうか。
あやつめ。
絶対許さん!
…て、ほがなことを考えちょる暇はない。
ワシゃ以蔵をどうこうするよりも、ナミに許してもらえる方法を考えねばいかんがじゃ。
さて、どういたらナミは怒りを鎮めてくれるかのぅ。
…ほうじゃ!
何か贈り物をするのもええかもしれん。