人斬り以蔵

□第五話
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【岡田以蔵 第五話】

<ナミ>
「あれっ?どうしたの以蔵?」

朝迎えに来た以蔵を見てびっくり。
だって、身なりがちゃんとしてるっていうか、いつもと違う。


<以蔵>
「き…京の町を散策するなら、それなりの格好をしないと逆に怪しまれるだろう!」


<ナミ>
「そ、そうなんだ、ごめん知らなくて…」


<ミツ>
「ほうかえ。うちはそんな格好した以蔵さんなんち、初めてじゃ」


<以蔵>
「ウソつくな!」


<ナミ>
あーっまた始まっちゃった…。

「みっちゃん、私たち未来に帰る方法を探しに行くだけだよ!
べ、別にデートとかじゃないから!」


<ミツ>
「でえと?でえとってなんぞね?未来の言葉かえ?」


<ナミ>
「あ…うん…」

みっちゃんは楽しそうだけれど…。
なんか私墓穴掘った気が…。

「デートっていうのは、異性と二人で出かけたり、食事したり…することかな?」


<ミツ>
「ふぅん。要するに逢引ってこと?」


<以蔵>
「ミツ!」


<ミツ>
「そんな怒らんでもえいじゃないかえ。
ほんなら、そのでえとやら、いってつかあさい」


<以蔵>
「しつこいぞ」


<ナミ>
「あの…みっちゃん、もしかして一緒に行きたいんじゃ…」


<ミツ>
「えっ?」



<ナミ>
さっきからちょっと気付いてたんだけれど…。
ずっと私たちのそばから離れないのって、きっとそういうことだよね。

「一緒に…来る?」

言ってから少し胸がざわついたのはなんでだろう。


<ミツ>
「…うちはえいき。今日は用事があるんね。
…ナミさん、ありがとう」


<ナミ>
「…?」

そうだ、今日はみっちゃんにお客さんが来るとか言ってたな。
でも。
みっちゃんの笑顔が寂しそうに見えたのは気のせいかな…?


<以蔵>
「行くぞ」


<ナミ>
「あ、うん」

みっちゃんがちょっと気になったけれど。
お店も手伝わなきゃいけないし、あまり時間もないから、私たちは早々に街へと繰り出した。
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