お題
□今からきみに告白します
1ページ/1ページ
『あ、』
ピタリ、短く声を出して足を止める彼女に合わせ、ふと立ち止まった。
一点を見つめる視線を辿れば小さな公園。
白「…ちょっと寄ってく?」
『!はい!』
パアッとりんちゃんの顔が輝いたもんやから、思わず口元を緩め手を握り直してから、歩き出した。
一緒にベンチに腰掛け隣を見ると、りんちゃんと目が合う。
慌てて逸らされるとか、傷付くねんけどなぁ…
白「足大丈夫?ぎょーさん歩いたし」
『全然大丈夫ですよっとっても楽しかったです』
ニコニコ笑うりんちゃんの頭を撫でながら「また行こな」と微笑めば、嬉しそうに大きく頷いた。
あー…もう何なん、この可愛い生き物。
『あ、あの白石さん…』
白「ん?」
『えと、』
ずっと頭を撫でる俺を不思議に思ったのか、りんちゃんは顔を赤くしていた。
白「嫌?」
『!い、嫌とかじゃなくっ』
ニッコリ微笑む俺を見て、りんちゃんは更に顔を真っ赤にした。
大人しゅうなったと同時に、恥ずかしそうにチラチラと見上げてくる。
白「…逆効果や」
『へ、きゃ…!』
りんちゃんの小さな体を抱き上げるのは簡単で、有無を言わさず膝の上に乗せる。
後ろから華奢な背中に腕を回せば、びくんと揺れた。
『し、白石さん、皆さん見てます…っ///』
白「見てるゆーか、皆おらへんで」
『ええ!』
さっきまで小さな子達が遊んでいたが、迎えに来た母親と共に帰ってしまったらしい。
頭撫でられることに意識しとったりんちゃんは、気付いてなかったんやな。
トンッと背中に額を当てれば、更に大きく体が跳ね上がった。
白「…りんちゃん」
りんちゃんは知らんやろうけどな、俺は…
りんちゃんとおる時が一番落ち着くんや。
一番大きく息が出来る。
この時が終わればもうお別れなんやなと思えば、余計に離れられなくなる。
『…どうしたんですか?』
心配そうに尋ねてくる彼女が、愛しくて仕方がなくて。
暫くして、手の上にふわっと別の手が重なった。
『白石さん甘えんぼ…です』
白「…うん。りんちゃんにだけ」
くすっと微笑むりんちゃんは、キュッと俺の手を強く握った。
あ、やっぱり…
『!はわ…っ』
くるっと体の向きを変えて、りんちゃんと向き合うような体勢にする。
白「ははっ真っ赤」
『だ、だだって…』
耳まで真っ赤になるりんちゃんは、恥ずかしいのか俯いてしまった。
白「りんちゃんの顔見えないんやけど?」
『…………』
こういうとこ、ほんまに強情やなと思う。
俺は小さく息を吐くと、その真っ赤な耳元に顔を寄せていった。
白「好き」
『っ』
やっと顔を上げた彼女に、優しく微笑む。
暫くぼおっとして動かないりんちゃんに首を傾げつつ、その額に優しくキスを落とした。
『!あの、』
白「これで忘れへんやろ」
東京に戻っても、ずっとずっと俺のことを想っていて欲しいから。
…子供っぽいけどな。
『わ、忘れられるわけ、ないです』
いっぱいいっぱいになって、そう呟く君が可愛くて。
今度は真っ赤に染まった頬に口付けた。
(ま、また…!)
(ん、口の方がええ?)
(!ノーですっっ)
(ははっ何やねんそのポーズ)