お題

□今からきみに告白します
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『あ、』




ピタリ、短く声を出して足を止める彼女に合わせ、ふと立ち止まった。


一点を見つめる視線を辿れば小さな公園。




白「…ちょっと寄ってく?」



『!はい!』




パアッとりんちゃんの顔が輝いたもんやから、思わず口元を緩め手を握り直してから、歩き出した。




一緒にベンチに腰掛け隣を見ると、りんちゃんと目が合う。
慌てて逸らされるとか、傷付くねんけどなぁ…




白「足大丈夫?ぎょーさん歩いたし」



『全然大丈夫ですよっとっても楽しかったです』



ニコニコ笑うりんちゃんの頭を撫でながら「また行こな」と微笑めば、嬉しそうに大きく頷いた。



あー…もう何なん、この可愛い生き物。




『あ、あの白石さん…』



白「ん?」



『えと、』




ずっと頭を撫でる俺を不思議に思ったのか、りんちゃんは顔を赤くしていた。




白「嫌?」



『!い、嫌とかじゃなくっ』




ニッコリ微笑む俺を見て、りんちゃんは更に顔を真っ赤にした。


大人しゅうなったと同時に、恥ずかしそうにチラチラと見上げてくる。




白「…逆効果や」



『へ、きゃ…!』




りんちゃんの小さな体を抱き上げるのは簡単で、有無を言わさず膝の上に乗せる。

後ろから華奢な背中に腕を回せば、びくんと揺れた。




『し、白石さん、皆さん見てます…っ///』



白「見てるゆーか、皆おらへんで」



『ええ!』




さっきまで小さな子達が遊んでいたが、迎えに来た母親と共に帰ってしまったらしい。


頭撫でられることに意識しとったりんちゃんは、気付いてなかったんやな。



トンッと背中に額を当てれば、更に大きく体が跳ね上がった。




白「…りんちゃん」




りんちゃんは知らんやろうけどな、俺は…
りんちゃんとおる時が一番落ち着くんや。



一番大きく息が出来る。




この時が終わればもうお別れなんやなと思えば、余計に離れられなくなる。




『…どうしたんですか?』




心配そうに尋ねてくる彼女が、愛しくて仕方がなくて。




暫くして、手の上にふわっと別の手が重なった。




『白石さん甘えんぼ…です』



白「…うん。りんちゃんにだけ」




くすっと微笑むりんちゃんは、キュッと俺の手を強く握った。


あ、やっぱり…




『!はわ…っ』




くるっと体の向きを変えて、りんちゃんと向き合うような体勢にする。




白「ははっ真っ赤」



『だ、だだって…』




耳まで真っ赤になるりんちゃんは、恥ずかしいのか俯いてしまった。




白「りんちゃんの顔見えないんやけど?」



『…………』




こういうとこ、ほんまに強情やなと思う。



俺は小さく息を吐くと、その真っ赤な耳元に顔を寄せていった。




白「好き」



『っ』




やっと顔を上げた彼女に、優しく微笑む。

暫くぼおっとして動かないりんちゃんに首を傾げつつ、その額に優しくキスを落とした。




『!あの、』



白「これで忘れへんやろ」




東京に戻っても、ずっとずっと俺のことを想っていて欲しいから。
…子供っぽいけどな。




『わ、忘れられるわけ、ないです』




いっぱいいっぱいになって、そう呟く君が可愛くて。


今度は真っ赤に染まった頬に口付けた。










(ま、また…!)
(ん、口の方がええ?)
(!ノーですっっ)
(ははっ何やねんそのポーズ)






 

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