NARUTO
□A beautiful hand.
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きれいな手。-A beautiful hand.-
カカシは最初はそのまま手元にあるイチャパラに集中していたが、本の向かいからくる視線に耐えきれなくなる。
「…どうしたのよ、お前」
「昔から思ったんだけど…カカシ先生の手って綺麗だよなぁ…」
ナルトはじっと本を持っているカカシ先生の手をみつめる。
そしてその手をとって自分の手を見比べた。
「やっぱ俺と違って肌白いってばよ」
手があまりにも綺麗でちょっとむかつくなと軽い嫉妬を心の中でしながらもナルトはその手をにぎにぎする。
その爪先は綺麗に整えてある。
「指先も綺麗だってば…」
「お手入れしているからね」
「俺、未だに爪切りがまだちょっと危ないんだよなぁ…」
「そういや、下忍の時何回が深爪していたねぇ…」
まだうまく切れないのとカカシ。
「だって、切り方知らなかったし、切れればそれでいいかなと」
「それで深爪して任務で痛いのはお前でしょうが」
深爪の時にした川のゴミ拾いの時、深爪した所にゴミの黴菌が入って化膿したことがあるのである。
あれにはカカシも慌てた。
毒か何か思ったら深爪が原因と知って脱力したぐらいである。
それからというものサクラに切り方を教えてもらったり、カカシに見本と切ってもらったりしてもらった時期があるのである。
思えば懐かしい。
そんなこともあったなぁとナルトは飽きずにカカシの指をぶらぶらさせたりと遊ばせていた。
程よい体温が温かい。
下忍の頃はよくこの手で頭を撫でてくれた。
ナルトが上忍になった今そういうこともなくなり思い出すと寂しくなった。
「…カカシ先生、お願いがあるんだけど」
「ん、なぁに?」
「俺の頭撫でてくれってばよ」
「また唐突だねぇ。良いけどお前もう上忍だし、大人でしょうが」
カカシは苦笑しつつもナルトのおねだりに頭に手をポフンと置いて撫でてやる。
ナルトは気持ちよさそうに目を閉じて甘受していた。
「(全くこの子は…こういう顔を他でもしてなければいいんだけどね)」
ナルトは鈍くて気が付いていないが、上忍となったナルト…そして里の英雄ともされているナルトは成長するにつれ、容姿はどんどん四代目に似てきた。
つまり、周りにもてているのである。
ただ、幼少時の待遇によってその好意に気がつかないというあまりの鈍さによってナルト本人は気が付いていない。
「……」
カカシはナルトのうっとりとしている表情をみてまるで動物みたいだなと思う。
いっそのこと首輪をつけて束縛したいと考えてしまう自分はもう駄目である。
カカシはその気持ちを押さえながら、目を閉じているナルトにマスクを外して軽く口づける。
「へっ?」
ナルトはその感触に目をぱちくりした。
そしてそれが何か分かるとボボボッと顔を赤くする。
イチャパラなど真顔で平気で読めるくせにこういうところは初心であるかわいい反応にカカシに目を和ませる。
「ナールト、今日は二人とも任務入っていないし一緒にごろごろしようか」
「……っ!!」
甘えたいということを見透かされ驚いたと同時にナルトははにかんで腕を広げて待つカカシの胸元に飛び込んだ。
END
もう二人でいちゃつけばいい。