NARUTO

□The mystery of a mask.
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マスクの謎。
-The mystery of a mask.-

「なぁ、俺気になっていたことがあるんだが…」
「なんだってばよ?」

ザクザクとクナイ、木に立てかけてある複数の的に手裏剣の投合の練習をしながらサスケとナルトは受け答えをする。
ナルトは半分聞き流しながら、クナイを投げる構えをして投げようとしていた。

「お前、カカシのマスクの下みたことあるのか?」
「……」

ナルトは手元が狂って投げかけていたクナイが滑って的とはあきらかに違う方向に飛んで行った。
ついでに自分の手も少し切ってしまう。
だが普段ではありえないミスをしてしまい、ナルトはそっちの方に落ち込む。

「……」
「……」
「…下手くそ」
「お前が投げている時にそんなことを言うからだってばよぉお!」

突然変なことをいうからとナルトは赤面したままクワっとサスケを振り返る。
そして切ってしまった指をペロペロと舐めた。
軽い怪我というものもあり、すぐにうちにいる九尾の影響で傷が癒えてきたいるとはいえ痛いものは痛い。

「その…悪かったな」

サスケは複雑そうに呟く。
サスケとしてはナルトが小さい時からよくいるカカシのことでそんなに動揺するとは思わなかったのだ。
何がそんなにナルトを動揺させたのか、カカシでないとしたら、反応するキーワードはマスクか。

「いいけどなんでいきなりカカシ先生のマスクなんだってば?」

調子が狂ったので修行は一旦やめて休憩として地面に座る。
サスケもそれにならってボスンと横に座った。

「今日の任務の時、覚えているだろ」
「今日のって、ああ!カカシのマスクの下にマスクがあったから気になったってことか」
「ああ、サクラがそれでかなりびびっていてな」

確かに分からなくもない。
普段から怪しい風貌した人がマスクをしてその更にマスクがあったらそりゃビビると思う。
だが、ナルトは小さい頃から一緒にいるということもあり、それに慣れているだけだが。

「で?」
「俺達、マスクの下みたことないんだが?」

あいつ食べている時もマスクしていたような気がするんだがとサスケ。
ナルトはいまさらかよと内心思った。
下忍となりカカシと共に行動してからかなりの日が経っている。
もっと早く気がついてもよさそうだったが、カカシのあまりの自然さではそれも無理もないかなとも思う。

「…さすがのカカシ先生も食べる時はマスク外しているってばよ」
「まぁ、そうか」

ナルトはサスケののんびりした感じに神妙な顔になる。

「サスケ、これは親友として忠告だってばよ。マスクは気にすんな」
「なんでだ?」
「さっきの俺みたいになるから」

真面目な顔でナルトは言う。
クナイを投げた時のようにいやそれ以上に調子が狂うとナルト。
サスケは困ればいいのか笑えばいいのか分からず、それらが一緒くたになった顔になる。
そしてその答えからサスケはナルトがマスクの下をみたことがあると知った。まぁ、よく一緒にいる以上当然だが。

「そんなひどい口元なのか?」
「まぁ…あながち間違っていないってばよ」

本当はその口元があまりにも見惚れるほどかっこいいのだが。
人によってはある意味凶器という意味でひどい。

だが、見るなと言われれば人は見たくなるもの。
サスケはいつか絶対にマスクの下を見てみたいと新たに決意した。





後日ナルトは意気込むサスケをみて生温かい目を向けた。

「…サスケ。頑張れってばよ」
「ん、ナルト、サスケの奴どうしたの?」

イチャパラを読みながらカカシはいつもと違うナルトに気がついて隣に立つ。

「サスケが絶対カカシ先生のマスクの下みるんだってさ」
「ははは、そんなことか」
「そんなことじゃねぇって。カカシ先生は頼むからそのままマスクしていてくれってばよ」

ナルトは乾いた笑いを上げながら、どこかで読んだ神話を思い出す。

「なんか神話かなんかで言われている…メデューサだっけ。蛇の髪を見ると石になるって奴…カカシ先生あれみたいだってば」
「失礼な、俺の口元は化け物扱いか」

カカシはニコニコとしたまま、ナルトの頭に拳ひとつ落とす。
ナルトはカカシの口元を何度もみているのでだいぶ慣れてきたが、突然されたら多少だが動揺するのである。
今からサスケがカカシの口元を見た時の行動が目に浮かぶ。
そうなったらサスケを慰めてやろうか。





END

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