NARUTO

□The first contact.
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最初の接触
-The first contact.-

サスケとナルトの出会いは母同士の付き合いからである。
赤ん坊の時から数回顔を合わせてはいたらしいがいかんせんまだ赤ん坊だったので覚えていない。
実質、ナルトとサスケが会ったのは5歳の時だった。
時期的にアカデミーに入る少し前の出来事である。
母が二人が同じ年頃の子がいるのなら合わせるのもいいのではないかという計らいでサスケは楽しそうな母の後をついて行っていた。
ナルトは兄弟など同じ年頃の子がいなかったので楽しみにしていたが、サスケの方はあまりはっきりあまり乗り気ではなかった。
サスケはお兄ちゃん子…はやい話ブラコンだというのとあまり外で交流を持たないせいでちょっとした人見知りだったのである。
ニコニコとする母、そして任務でいない兄というのもあってしぶしぶながら母に連れられサスケは歩いていく。
そして着いた所は、こじんまりとした一軒家だった。
サスケを連れた母ミコトは鼻歌を歌いながらさっさとその中に入って行く。

「クシナ〜来たわよ」
「いらっしゃい。あ、その子が?」
「そうそう。サスケよ」
「うわ〜大きくなったわね」

サスケはそのキラキラとみてくる目にタジタジとなる。
今も十分に小さいがそれより小さい赤ん坊の自分に知られていることが恥ずかしい。

「まぁそんなところにいないで、私の息子のナルトと話してくれってばね」

ちょっと二人でお茶の準備しているからとクシナとミコトは台所に消える。
置いてかれたサスケはナルトという子がいるという部屋に足を向けた。が、ドアをノックしても返事がない。
いないのか?と思ってドアを開けてサスケは唖然とする。

「…なんだ、これは?」
「ふぇ?」

部屋一面に広がる巻物の山。
とにかくあらゆる巻物が足の踏み場もないくらい…いや、オレンジの塊がなにやら巻物に埋もれていた。
それがいきなりむくりと起き上がる。

「誰?イタチ兄ちゃんに似てるってば」
「兄さんを知っているのか?」
「ん」

そして母がお茶の準備をしてこっちに来るとサスケが伝えると真っ青な顔をして手伝ってくれないと俺母ちゃんに殺されちゃうと慌てて巻物を片付ける姿をみてサスケも手伝うと言って巻物をまとめる。
ナルトとサスケはどんどん巻物を分別していって最終的に巻物をさらに巻物に入れて収納した。
そして少なくなった巻物を部屋の机に置くと同時にガチャと音がしてクシナとミナトがお茶とお茶菓子を持って、入ってきた。
ナルトはぎりぎりのタイミングにふぅーと息を吐く。

「お、ちゃんと片付けたみたいね」
「ちゃんと片付けないと、母ちゃんの鉄拳が怖いってばよ…」
「クシナも相変わらずね。ナルトくん、クシナの鉄拳は痛いでしょ」
「痛いというより、あれは恐怖だってばよ」

ナルトはミコトの言葉にブルリと身を震わせる。
サスケはそれに首を傾げた。

「おい…そんなにお前の母さんは怖いのか?」
「怖いも何も怒らせたら火影も真っ青だってば」

サスケとナルトは談笑する母二人を見ながらぼそぼそと話す。

「あ」
「なんだ?」
「俺達ちゃんとした自己紹介してねぇ」
「いわれれば…」

赤ん坊に数回会ったとは聞いていても双方覚えていないのである。
なんというか母二人に流されていた。ナルトにいわれてサスケも気がつく辺りサスケもかなりそれに流されていた感がある。

「あ、俺うずまきナルトな」
「俺はうちはサスケ」
「えーと不束者ですがよろしくお願いします」
「なんだが激しく違うような気がするが…よろしく?」

サスケはなんか違うよなと思いながらも何が違うのか分からず、とりあえず返した。
ナルトはお茶を飲みながらお茶受けの煎餅を頬張る。

「他に自己紹介…んーと、好きなものは一楽のラーメン!嫌いなものは生野菜だってば」
「俺は好きなものはトマトとおかかのおにぎり。嫌いものは甘いものだ」

ポンポンと交わされる子供の会話を母二人はお茶を飲みながらまったりとしていた。

「さっそく仲がいいってばね」
「人見知りするサスケがここまでなじむっていうのもすごいわ」
「内容が色々突っ込みどころあるけど」
「自己紹介とかもかなり爆笑ものよね」
「不束者って…こういうのに使うんじゃないんだけど」
「あの二人、意味知ったらどういう反応とるのか見てみたいわね」

母親二人は子供二人に突っ込みたい気持ちを必死で押さえて笑いを零しながらお茶を啜った。





ナルトとサスケはよく言い合いになったりはするものを会った時から意外な所で気が合うコンビだった。





END


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