NARUTO

□-Happy birthday! 2011/10/10-
1ページ/1ページ

誕生日おめでとう!2011/10/10
-Happy birthday! 2011/10/10-

「ナルトもついに火影にまでなったかぁ…」
「突然どうしたんだってばよ?」

ナルトは報告にきたカカシから書類をもらってそれに目を通しながら聞く。
正直自分だけじゃ手に負えないので影分身を数体出してそれぞれが書類の処理に追われていた。

「…今日何の日か覚えてないの?」
「今日?んん?ごめん…ちょっとこっちのことで頭いっぱいだってば」

ただでさえ馬鹿な頭をフルに使っている。シカマルには出来は悪くねぇんだけどなと言われたがとにかく知識が足りない。
しっかりみてさばかないと、忍の命を預かっている以上下手すれば危険に晒すかも知れないのだ。
黙々と作業をしていると今度はカカシ先生が笑う声がする。

「頑張っているねぇ」

思ったよりも様になっているよとカカシはニコニコしながら退室する。



日が暮れオレンジの光がナルトの視界に入ってナルトはようやく意識を書類から外す。

「うわっ…もう夕方かよ…」

時間たつの早いなぁと書類さばきでがちがちになってしまった肩や首をゴキゴキと回しながら椅子を回転させる。
いつみても後ろの窓からみる夕日がとてもきれいだ。
書類も片付けたことだしとナルトは、白紙の紙に筆でつらつらとかいた。

「おーい、ナル…いや火影様、いる…か?」

しばらくしてシカマルがナルトに用があって執務室に行くが、もぬけの殻。
そして机にナルトが片付けたと思われる書類、そして書置きがあった。

”ちょっと里をみてくる ナルト”

それを読んで、シカマルはしゃあねぇと苦笑する。

「打ち合わせじゃこれからだったんだけどな…主役のナルトがいないんじゃどうすっかな?」





ナルトは火影岩に立ってそこから見える里を眺めていた。
自分の好きな色であるオレンジ色が里を照らしているのがなんだが暖かい。

「やっぱり綺麗だなぁ。な、カカシ先生」
「いつから気が付いていたのよ?」
「俺をつけてきた時から」

ナルトはいたずらっぽく斜め後ろをみると、カカシがいた。
カカシは見つかってしまいちょっと情けない顔になりながらもナルトの隣につく。

「本当成長したよねぇ。最初の頃なんて気配なんて読めなかったのに…見つかっちゃったか」
「ははは…あの頃はやんちゃだったんだってば」
「まぁ、そうだね。あの頃のナルトもかわいかったよ」
「俺からすれば恥ずかしいんだけど」

ナルトは過去の下忍の自分を思い出して照れくさくなる。
今のナルトを思えばあまり褒められたような行動はとっていなかったからである。周囲が呆れるほどの行動をとっていただろう。

「ナルト」

なんだという前にふとカカシがナルトに口づけを落とし、最後に軽く唇をひと舐めして離れる。
ナルトは茫然とそれを見る。

「……」
「誕生日おめでとう」
「へっ?」
「ナルトは仕事で気がつかなかったかもしれないけど、今日は10月10日だよ」

まさか10月ってことも忘れていないよねとカカシ。
はい、忘れていましたとはさすがに言えないナルトだったが、あっさりと見抜かれてしまった。

「お前…10月ってことすら忘れていたわけ?」
「なんで分かったんだってば?」
「顔にありありとかいてあるよ」

そういうところはまだまだだねとカカシは苦笑してナルトの頭を撫でる。
ナルトが火影…それ以前に成長するにつれあまり撫でることも少なくなった。
するといえば二人でいる時ぐらいだろうか。

「で、誕生日プレゼントだけど、何か欲しいものある?」
「…カカシせんせぇ」
「ん、どうしたの?」
「だからカカシ先生がほしいってばよ!」

ナルトはそこまで言い終わって顔を真っ赤にさせながらカカシを見上げる。
本人は睨んでいるようだが、恥ずかしさのため上気している頬、それに潤んだ目で見られても全く怖くない。
本当にかわいいなぁと思ってしまうカカシ。
いつまでもこの子は大切なのである。

「俺なんかが誕生日プレゼントでいいの?」
「カカシ先生がいいってばよ!」
「んじゃ、仕事も終わっているようだし帰りますか!」

カカシは腕の中にナルトを抱きしめ、そのままボフンと消えた。





シカマルが焼き肉屋に入るとそこではナルトの同僚がすでに主役のナルトがいないにも関わらずわいわいとやっていた。

「あれ、ナルトは?」
「あー…あいつな。もう今日は来れないと思うぜ」

チョウジが焼き肉を食べながらいうのに、シカマルがうんざりとしたように言う。
シカマルはナルトを見つけたがそこにカカシの姿がいてキスまでしているところをみて、あ、これ誕生日会はもう無理だわと分かってしまった。
事実そのまま二人で消えたことでこのあとの展開が軽く読めてしまう。

「というかなんで来れないの?」
「おかしいわね…仕事は終わっているはずなんだけど」
「まぁ…あいつにはすでに先客がいたってことだ」

シカマルはいのやサクラに受け答えしながら、酔っ払って暴れるリーを押さえているキバ、ネジなどを見ながら自分も酒に手を伸ばす。

「まぁ…馬に蹴られたくなかったらほっとけっつーことだ」

ナルトの誕生日会はやるにしろ後日だろとシカマルはグイッと酒をあおる。





というわけでナルト誕生日おめでとう!(2011/10/10)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ