NO.6 小説

□『あなたの魅力をひきだしたー 』
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「紫苑、これ何?」
「なんでも自分の名前を入力すると、自分の魅力がわかるとか…」
「へぇ…」

あなたの魅力をひきだしたーというツイッター診断の結果というものをネズミと紫苑の二人はじっと目を落としてみていた。

ネズミの結果。


ネズミの魅力は『メガネ:5割増 制服:4割減 猫耳:1割増 スーツ:2割増 水着:最強 浴衣:7割増 すっぴん:出していこう』となります。


である。

「水着が最強…どんなだがみてみたいんだけど」
「…水着ね。あいにくそんなものここにはないし」

着れなくて残念とネズミは肩をすくめる。

「それは残念…かなり見たかったのに…次は浴衣だね…ネズミって色っぽいから浴衣とか似合いそうだな。」
「へぇ…浴衣か…確かに涼しそうだけど動きにくそうなんだよな、あれ」
「あー確かに動きにくいかも知れない。たまにみるとかならいいけどネズミは普段の動きやすい格好が落ち着くな」
「(それって普段通りの俺が一番ってことかよ)」

この天然めとネズミは照れを隠すように別の所をみると、すっぴん:出していこうというのがあった。

「すっぴん…?」
「ああ、化粧とかしてないことだよ。出していこうってことはネズミの顔がとても綺麗で化粧で整える必要さえもいらないってことだよ!」

さすがネズミだねと紫苑。
…なんだかあまり嬉しくないような気もする。
ネズミは心の中で複雑な気持ちになる。
ふと紫苑をみるとキラキラとネズミをみてくる。

「…なんだ?」
「だからその顔ちょっと触らせて」

紫苑はそのまま、ネズミが断る前にさっと近寄ってペタペタと顔に触ってくる。

「うわぁ…肌とかさらさらだし…目とか鼻とか整っているし、髪はさらさら…」
「…そうか」

ネズミはされるがままである。
というか紫苑に押され気味であった。
紫苑は一通り触り気が済むと今度はネズミの目に顔を近づけた。

「でもやっぱり一番きれいなのは、その目かな…」
「目?」
「うん、その灰色の光加減で微妙な色を放つその目が一番綺麗で見とれるんだ」
「それは光栄です、陛下」

ネズミはにこやかにいう。

「ですが、陛下…そろそろ降りていただけませんか?…それとも紫苑誘っている?」

今の格好は本が散らかる床にネズミが横たわっていてその上に紫苑が馬乗りという体勢だった。
紫苑はキョトンと首をかしげる。

「ああごめん、重かったよね?」
「いや、そうじゃなかったんだけどな…」

紫苑がどくのをがっくりとネズミは肩を落とすが、まったく気がついていない。

「次は僕の結果もみてみよう!」
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