Crimson Eyes

□00.Prologue
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漆黒の闇 空から落ちゆくものは悲しみを帯びた雨


ただ雨に打たれているのは蒼の髪をした少女


少女の瞳に映っているのは


もう既に事切れている女性





少女は彼女が大切だった


その血を零したような紅い瞳からは涙がこぼれ落ちた


限りない絶望が 小さな少女を襲った


少女はそこで 自分が独りになったことを知った









その日から数年の月日が経った


少女は成長し神の使徒となり千年伯爵と対峙する


教団に入り仲間ができた少女


人の死にとても敏感で仲間を大切にした


しかし少女は、優しすぎた


優しすぎるが故に少女にはいつも多大な哀しみと苦しみが付き纏った


それを誰かに打ち明けることはない


少女は、彼女は今もたった独りで



あの過去と 自分と戦っている──







時は仮想19世紀

海のような蒼の髪

血を零したような紅の瞳

その瞳に映るのは

絶望か 哀しみか


希望か



Crimson Eyes





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