桜華録
□ただひとつ
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ただひとつ
オレが護りたいもの
お前の笑顔
護れるためなら
この身体が
いくら傷付こうと
この命が
尽きようと
なんでもする
そう心に決めて
進んできた
…はずなのに
オレのやってきたことは
信じて進んだ道は
間違ってたのか…?
オレが血で汚れるたび
ボロボロで帰るたび
お前の笑顔は
曇っていく
オレが傷ついても
お前が傷つかなければ
それだけでいいのに
力の弱くて
無知なオレは
ただひとつ護りたいものも
護りきれない
だからオレは…
人を捨てて
"羅刹"
になった
それが許されないことだってのは
百も承知だ
それでもオレは
お前の笑顔を
護りたい
たとえこの手を
闇に染めたとしても…
後書き