桜華録

□ただひとつ
1ページ/1ページ


ただひとつ
オレが護りたいもの


お前の笑顔


護れるためなら


この身体が
いくら傷付こうと


この命が
尽きようと


なんでもする


そう心に決めて
進んできた


…はずなのに


オレのやってきたことは
信じて進んだ道は


間違ってたのか…?




オレが血で汚れるたび
ボロボロで帰るたび


お前の笑顔は
曇っていく


オレが傷ついても
お前が傷つかなければ


それだけでいいのに




力の弱くて
無知なオレは
ただひとつ護りたいものも
護りきれない


だからオレは…
人を捨てて



"羅刹"



になった




それが許されないことだってのは
百も承知だ


それでもオレは
お前の笑顔を
護りたい


たとえこの手を
闇に染めたとしても…










後書き

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ