《スティングとローグの計画。その2》
「……一体、どうしたというんだ、スティングは」
先ほどからボーッとただ座っているスティングに、心配するローグ。
何度か呼びかけたものの、上の空。
ため息とともに呟いたローグの言葉に、スティングは肩を揺らす。
ようやくスティングが反応を示したことに安堵したローグだったが、その様子に怪訝な表情をする。
「どうした、だって…?」
「スティング?」
「白々しいぞローグ!」
突然立ち上がったかと思うと、ビシッとローグを指差すスティング。
勿論ローグは、驚きのあまり目を見開き固まる他なかった。
「お前、アンケート一位になったからって、調子乗ってるんじゃないのか!?」
「……」
またこの話か…と、いつかの会話を思い出し、ローグはとんでもない脱力感に襲われる。
「そんなことで」
「そんなこと!?重要なことだろ!?」
顔を歪めて叫ぶスティング。その様子を離れたところから伺うレクターとフロッシュ。
一度感情を爆発させたかと思いきや、徐々に最初の頃と同様萎れていくスティングは、再び腰を下ろした。
「どうせオレなんて、読者のみんなから見放されているんだ…管理人からだって…」
「スティング…それは違う」
「え?」
俯いていた顔を上げる。
どことなく寂しそうなローグの表情に、スティングはつい動揺する。
「確かに、読者の多くはオレに票を入れた…つまり、オレの方が人気かもしれない」
「(…あれはフォローになってませんよね?)」
「(…フローもそー思うー)」
「だが、実際に公開されている小説はどうだ?どう見たって、スティングの方が甘い話じゃないか!」
自分はまだ短編に於いて出会い話…と言ってもまだ一言しか話していない。それにひきかえ、スティングの出る作品は…
と、くどくどと語り始める。
「(…えぇー…そんな事でスティングくんが納得するワケ…)」
「…確かに、ローグの言い分も分かるな」
「(そこ分かっちゃうんですか、そうですか!)」
ある意味、流石スティングくん…とつぶやくレクターの肩を、ポンと叩くフロッシュ。
「こうなったら、一気にオレ達の作品を増やして貰おうぜ!」
「だがどうする?管理人を脅すのか?」
「オレにいい考えがある」
ニヤッと口角を上げるスティングに、キョトンとするローグ。
「『管理人のやる気スイッチ』に読者の票を集めんだよ」
「(……それって、丸投げになりませんか、スティングくん…)」
「なるほど。そこに票が集まり、コメントがあれば尚の事、更新せざるおえない、と」
「(いいんですか、それで…)」
「(……ローグー…)」
「そーゆーこと!…ってことで、拍手くれた読者のお前!『管理人のやる気スイッチ』への投票宜しくな!!」
「併せて『グレルーを脅かす存在とは…?』にも引き続き頼む」
こうして、スティングとローグによる、サイト内剣咬の虎化はまだまだ画策されてゆくのだった……
End
ーーーーーーー
安定の宣伝部隊です(笑)
2016.1.20〜