ナギの部屋
□こたつ
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北の海を旅する私達…。
年の瀬も近いという事で、今日は船内の大掃除をすることになった。
私は倉庫の掃除をしていたんだけど…。
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「…で、何だこれは。」
ナギが私の手に持つ長方形の物体に視線を向けた。
「こたつ…知らない?」
「ああ…名前は聞いたことあるな。ヤマトの機械か。」
「倉庫を掃除してたら出てきたの。船長の物らしいんだけど、使っていいって。」
「…こんなものまで?まったく、あの人は…。」
ナギは少し呆れ顔。
「せっかくだから使ってみようよ!」
私とナギは部屋にこたつを置いてみた。
さっそく中に入る私達。
「やっぱり暖かいね〜!」
「……」
「…ナギ?」
「いいな…これ。」
「でしょ?みかんとか鍋とかここで食べたら最高だよ。」
「…!食事もここで出来るのか。」
「お酒とか飲んでついついこのまま寝ちゃうんだよね〜。」
「……」
「どうしたの?」
「いや、暖かい上に食事も出来て、その上寝れる…最強の道具じゃねぇか…。」
ナギは心底驚いた顔をした。
「ふふふ…いいでしょ?こたつ。」
「ああ…。」
しばらくナギとこたつでぬくぬくしていた私は、気がついたら寝てしまっていたしい。
「…うぅ。寝ちゃった…。」
ふと見ると…
「あ、ナギも寝てる…。」
隣を見ると、ナギは小さく寝息を立てている。
「ふふふ…ナギの寝顔かわいい…。」
私はそっとナギの顔を覗き込んだ。
いつもは凛々しい顔立ちも、寝ている間はあどけない子供のようで、私は思わず微笑んでしまう。
(綺麗な顔立ち…睫毛長いなぁ…肌も綺麗だし…。)
しばらく魅入っていると、突然ナギの腕が伸びてきて、私は強引に腕の中に抱き寄せられた。
「わ、わわっ!」
「何見てんだ…」
目の前にナギの顔があった。
「っ!起きてたの?」
「あぁ…今日はこのまま寝ちまうか…。」
「え、こたつで寝ると風邪引くっておばあちゃんが…。」
「つべこべ言うんじゃねー。」
「きゃっ?!ちょ…ちょっと…!」
ナギは私の首筋にそっと唇を這わす。
「…たまにはこういうのも悪くねーな…。」
そう言ってナギはニヤリと笑った。
「え?!こ、ここで?」
「飯食って…寝て…そのままヤレる…。こたつ…最強だな。」
「ん…もうっ!」
ナギは私の顎を掴むと強引に唇を合わせてきた。
「んんっ…。」
(ナギ〜!こたつの使い方間違ってるから〜っ!)
その夜はこたつより熱い夜になった事は…言うまでもない。
そして、こたつにハマったナギは暫くの間こたつを有効に活用しましたとさ。
おしまい♪