novel

□日常会話@
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日常会話@


「三橋は将来、何になりたいの?」
放課後の練習と練習の合間の休憩時間、田島は唐突も無く三橋に話を振る。
「ピ、ピッチャー…」
「馬鹿だなぁ、三橋はもうピッチャーになってんじゃん!」
「ウヒッ、そうだね」
「じゃあさぁ、俺は大リーグに行かなくちゃいけないから、三橋は俺のお嫁さんになって一緒にアメリカに行こうよ!」
「ホント!!」
近くで何気なく二人の話に耳を傾けていた西浦ーぜは、チンプンカンな会話に頭を抱えていた。
「…でも、俺、英語喋れない…」
「俺も喋れねぇ」
二人はションボリと肩をうな垂れていると、三橋は何か閃いたかの様にピンッと背筋を伸ばす。
「は、花井君なら、英語得意!」
「そっかぁ!今から花井に英語を教えてもらえばいいんじゃん!」
「う、うん」
「おぉ〜い花井!!」
ギュッと手を握り合って、無邪気な笑顔のまま頼りになるキャプテンの元に駆け寄る。


どうする、花井!?




今日も西浦野球部は平穏です。




 
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