04/12の日記

00:40
距離
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あの日から心なしか、ナルトに避けられてるような気がする。

微妙にではあるが、今までより距離が出来てるような…そんな感覚。

サクラやカカシに対する態度に比べると、少しギクシャクしているように思える。

俺もそういう空気を出してしまっているのかも知れないが…実際気まずいのは間違いなかった。

ナルトにどう接してイイのかわからない。

話したいのに。

触れたいのに。

俺を、見て欲しいのに…。

何て声をかければイイのか、上手い言葉が思い付かない。

少なからずこの間の事で、ナルトを傷付けたかもしれない事に後ろめたさを感じているのかもしれない。

このままこんな状態がずっと続くのだろうか?

それは本当に嫌だと思った。

このままナルトに嫌われるくらいなら、一瞬の恥ずかしさなんていくらでも味わってやる。

そう思い、勇気を出した。

任務終了後

「ナルト」

名前を呼べば、少し強張った顔で俺の方を振り向く。

「なんだよ?」

一瞬だ。

一瞬くらいなら素直になれるだろ!!俺!!

「…ちょっと付き合え」

なのにコレが精一杯。

どの辺りが素直なんだ?

ただの命令口調な嫌なヤツのままじゃねぇか!!

「…なんで?」

ごもっともな返事。

だけど、このままは嫌なんだよ!!

「いいからちょっと付き合え!!」

強引にナルトの腕を掴んで、サクラやカカシの向かう方向とは間逆の方向へナルトを連れ出す。

「ッ…痛いってば!!離せ、よっ!!」

パシッと腕を振り払われるが、掴み直して雑木林の中へと入る。

2人きり。

「…サスケ!!ちょ……離せッ!!何の用だよ?」

パシッと、また腕を振り払われて今度はお互いに向き合った姿勢になる。

「……ナルト」

「何…?」

早く謝りたかった。

この間の事。

素直にならなきゃ、こいつには伝わらないから…

「その……、この前は……悪…かった」

「……え?」

俺の言動に驚いているのか、ナルトが目をまんまるにする。

当然と言えば当然の反応だ。

「…休日……本当は、あんな事言いたかったワケじゃねぇんだ」

「………」

「本当…は、一緒に修行しねぇかと…思って……た…」



こんな事言って

俺じゃないみたいだ。

何今更言い訳してんだって、自分でも思うけど…仕方ねぇだろ!!

プライドより大事なもん、見付けちまったんだから…。



言ったのはイイけど、ナルトの反応が恐くて目を合わせられない。

案外、臆病者な自分を思い知らされる。



そんな俺の心境を知ってか知らずか、ナルトが顔を覗き込んできた。

「…サスケ…今のマジで?」

ドキリ。とする。

「あ…あぁ…。本当だ…」

思わず口ごもる。

カッコ悪りぃ。

だけど、

「その言葉、めちゃくちゃ嬉しいってばよ!!」

向けられた笑顔に…

落ちた。

思わず見惚れる。

すげぇ胸が熱くなる。

抱きしめたい。

そう思うが早いか、気が付けば腕にナルトを抱きしめていた。

「サ…サスケっ!?」

自分の咄嗟の行動とはいえ、胸に抱いた願望をそのまま行動にしたのは初めてで、下手に動けない。

驚き戸惑っているだろうナルトの顔も見る事なんて出来ない。

「サスケってば…どぉし…」

「ッ暫く!!………暫くこのままでいさせろよ」

突然の俺からの包容に動揺しっぱなしのナルトを、更にキツく抱きしめて動きを封じる。

そうすると、触れてる部分から微かにナルトの心音が聞こえてくる。

それが変に心地良くて、いつまでもこうしていたいと思わせられる。

なのに…

「おーい?どしたのこんな人気の無い所で密着しちゃって…」

出た!カカシ!!!!

「かっ、カカシせんせぇッ!?」

カカシが出てきた途端、夢から現実に引き戻されたように、甘い雰囲気の消えたナルトに突き飛ばされる。

「ナルト〜サスケに何かされたの??」

人聞きの悪い事言ってんじゃねぇよ!この変態教師がっ!!

「え??な…何もされてなんか、ないってばよ!!!?」

アタフタしながらも、必死にさっきの事を隠そうとするナルト。

少し寂しい気もするが…

…これが、今の俺達にとって丁度いい距離なのかもしれない。

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