04/15の日記
23:19
誓い
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あの日から更に変化してきた俺とナルトの距離。
どちらかと言えば…ほんの少しだけ、近付いたような気がする。
よく笑いかけてくれるようになった。
チクショー!!可愛いんだよ!!
早く堂々と触れたり出来る関係になりてぇ。
でも…
「サークラちゃぁーん♪ねーねー今日時間あったらちょっと付き合って欲しいんだけどさぁ」
「え?何よ?どーしたの?」
「二シシ♪実はさぁ〜メチャクチャ美味い甘味処見つけちゃったんだけどさ、一緒に行かないかなぁと思って♪」
「え!?ホント?どこどこ!?」
「木ノ葉薬局の裏なんだってばよ!!」
「そーなの?あんな所にそんなお店あったっけ?」
「へへーん♪意外とみんな知らね〜んだ。ね?今日任務終わったら行かない?」
そう。
ナルトはサクラが好きだ。
サクラとゆうよりも、恋愛対象として見る相手は女だ。
俺だって別に男が好きなワケじゃない!!
好きになった奴がたまたま男だっただけで…
だけど、その壁は中々簡単に砕けそうにない気がする。
その事を考えると、酷く落ち込む自分がいた。
このままずっと、自分の片想いで終わっちまうんじゃないかと…。
ソレだけは本当に辛い。
だからと言って、今、自分の気持ちをナルトに伝えたとしても、拒否されるかもしれないと思うと、怖くて出来なかったりする。
自分の想いを伝えて、ナルトが俺を嫌いになったら…と思うと、今のままの方がマシなんじゃないかと思ってしまう。
俺は卑怯で、弱虫だ。
自分をそう思う事さえ嫌になるのに…
サクラを羨ましく思い、醜く嫉妬さえした。
だから、甘味処にサクラを誘ったにも関わらず「いのと行く」と断られたナルトにどこか安堵し、その後俺の元に来て、「サスケ今日暇だったら一緒に行ってくんねぇ?」と言われた時は、一瞬甘いもの嫌いな自分を忘れた。
任務後、ナルトと一緒に甘味処へと向かう。
今日だけは…甘いものが嫌いじゃない自分でいようと思った。
こじんまりとした店内に一歩踏み入れれば、甘い香りに鼻がヤられる。
コレも貴重なナルトとの時間!と自分に言い聞かせ席に着くが、見渡す限り女だらけ。
中にはカップルで来てるような奴もいたが、男同士で入ってきたのは俺達が初めてなのか、周りの視線が痛いほど刺さって居心地が悪い。
そんな中ナルトは周りの目など一切気にせず、白玉餡蜜の大盛なんか頼んでいやがった。
因みに俺は辛うじて食べられそうな、みたらし餅と言うモノを注文してみる。
ナルトに、「もっと頼めばイイのに〜ココのアンコは最高なんだってばよ〜♪」と言われても、一切食べる気にはなれなかった。
が、
餡蜜を頬張るナルトを眺める事に幸せを感じる。
「サスケも食う?はい、あーん…」
なんてスプーンを差し出された時は、思わず無意識に口を開いてしまっていた。
すぐさま便所へ駆け込むハメになったが…その行為は嬉しいものだった。
店を出て暫く歩いていると、「…今日は付き合ってくれてありがとな」なんて、ナルトにしては珍しくしおらしいテンションで礼を言われる。
「お前ホントは甘いもの嫌いだろ?」
確信を付かれてギクリとする。
「…なんで、わかった?」
「え?アレでバレてないとでも思ってたのかぁ?アンコを口に入れた瞬間、鳥肌凄かったてばよ?」
必死に隠してたつもりだったのに、簡単にバレてしまっていた事を恥ずかしく感じて、舌打ちと同時にナルトから目を逸らす。
そんな俺に
「サスケって…ホントはイイ奴だよな?」
とか言って赤くなっているであろう俺の顔を上目遣いで覗き込んでくるから、益々恥ずかしくなって
「今頃気付いたのかよ」
って、照れ隠しに毒づいてみる。
ソレでもどこか嬉しそうに俺の隣を歩くナルトを、心の底から愛しいと思った。
ソレが伝わったのか伝わってないのかはわからないけど、ナルトに言われたこの一言で、どんな事があってもコイツの事を好きで居たいと思った。
「…サスケ…、俺今日はホントに嬉しかったってばよ。…独りで食う飯も、独りで寝るのも独りで居るのにも慣れてるけど…やっぱ、誰かとあぁやって一緒に笑いながら食べたり喋ったり…そういう事出来るのって、ホントに幸せだと思うから…だから、ありがと。」
ほんの少しだけ見えた寂しげな表情をすぐさま隠すように、歯を見せて笑うナルトを、護ってやりたいと本気で思った。
例え、この気持ちが伝えられなかったとしても、一生気付かれなかったとしても、俺はお前だけを見ていくと…心に誓った。
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