11/11の日記

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我に返った時、ナルトの後頭部を押えて唇を奪っていた自分が居た。

驚き、慌てて離れる。

ヤバイ!ヤバイだろ今のはー!

何の前触れもなく、ナルトとキスするなんて、予想外中の予想外だ!!

どうしよう…ナルトの奴、どんな顔をしてるんだろう…?

と思い、恐る恐るナルトに視線を戻すと、案の定大きな瞳を更に大きく開いて、口も薄く半開きのまま固まったいた。

しまった。

こんなはずじゃ…と後悔が過る。

「……ナルト、その…これは…」

今更弁解したところで過ぎた時間は戻せないのに。
やった事実は消せないのに。
悪あがきをしようとする自分が居た。

「…今、の……何?」

未だ焦点が合ってなさげなナルトが口を開いた。

もう腹を括るべきなのかもしれない。
順番は逆になっちまったが、告白をするべきだ。

そう心に決め、潔く今まで温めてきた想いをぶつけた。


「…その、…ッ好きなんだ!!お前の事が!!」


言った。

遂に言ってしまった。


もう、後戻りは出来ない。

だけどナルトの反応が怖くて、まともに顔が合わせられない。

振られると決まったワケではないのに、何故か目頭が熱くなった。

暫く微妙な空気と沈黙が続いた。

いい加減痺れが切れて垂れていた頭を上げると、そこには真っ赤な顔で目に涙をいっぱい溜めたナルトの姿があった。

「…!?……ナルト…?」

そんなに俺からのキスもしくは、告白がショッキングだったのかと思い、不安げにナルトの名前を呼んだ。

でも、それは違った。

「……嘘、だろ?…サスケが、オレの事なんて、好きなワケ…ないってば……」

頭をフルフルと左右に振って、俺からの告白は嘘だと言うナルト。

それは何だか、自分は誰からも好かれてはイケないと言っているように見えて。

胸が痛んだ。

思わずナルトを抱き寄せる。

「嘘なワケねぇだろ…」

一言だけ言って、有り得ないくらい早打ちする心臓の音を聞かせた。

ドクッドクッドクッ…。

抱き締める腕を強める。

ナルトはされるがままのように俺の腕の中に大人しく埋まって、鼓動に耳を澄ませていた。

「…メチャクチャ早えぇだろ、俺の心臓…」

言ってやれば小さく頷く。

「こんな風にさせてんのはお前だぜ?……俺に好かれるの…嫌かよ?」

聞いてみて、なんだか少し虚しくなった。
好きでいる事を嫌がられたら終わりだ。

が、ナルトは首を横に振った。

脈ありか??と調子に乗りそうなところで、「…わかんない…」とゆう返事がきて凹む。

「…だよな。」

わかってる。

ナルトには自分の気持ちが一切わからないように振る舞ってきたんだ。

突然告白なんかされても、返事に困るのは当然の事。

俺は何を期待していたんだろう。

と、軽く自己嫌悪に陥った。

だけど、天は俺を見放さなかった。

「…でも、嘘じゃないってのはわかった。すっげぇ嬉しいってばよ…アリガトな。サスケ…」

そう告げて、俺の背中に緩く回されるナルトの腕!

これはもうイケって事だよな!?
ここでイかなかったらいつイクんだって話だよな!?

何故か願望を正当化し、ナルトの顔を自分の方へ上げさせる。

「…好きだ。…ナルト」

瞳をウルウルさせて俺を見上げるナルトが可愛い過ぎる。

欲望が、抑えられない。

「…キス、してもイイか?」

俺の問いに、ナルトが目を伏せた。

来いって事か?

来いって事だよな?

そう解釈して顔を近付けたら…


「は…恥ずかしい事聞くなってばよー!!」

と叫ばれ、両頬をビンタで挟まれた。

「い"ッ……てぇな!!何しやがる!!!」

思わず、いつもの調子に戻ってしまう。

気を付けろ。俺!!

ナルトはもうすぐだ!!(俺のモノ宣言)


「…だ…って、サスケが変な事、聞くから…」

「??…変な事…?」

両頬をさすりながら俺が聞き返すと、熟れたトマトのように顔を赤く染めたナルトが、小声で呟いた。

「キ…キス……して、いいか…とか…。…んなの…いいなんて、言えるワケねぇじゃん…」


…確かに。

俺からのキスをナルトが受け入れた時点で、俺からの告白をオッケーだと言っているようなものだ。

だけどもう…。


「…なら、キスしたいからする」

「……ふぇ??」

「お前に聞くのはやめた。俺のしたいようにする。…これならイイだろ?」

「…な、違っ……ン」


もう、ナルトの返事なんて聞いてる余裕はとっくになくなってた。

無理矢理でも。

お前が欲しい。

俺は無我夢中でナルトの唇を貪った。

時々苦しそうに鼻を鳴らすナルトが可愛くてたまんねぇ。

少し瞼を上げると、ナルトの顔が目の前に入ってきた。

夢なら覚めないで欲しい。

夢なワケねぇけど…。

長い睫毛が震えてる。
綺麗な鼻筋を間近で見ながら、唇の感触と舌触りを堪能する。

初めてのディープキスは、益々俺をナルトの虜にした。

一旦唇を離すと、お互い見つめ合ってまた唇を合わせた。

嫌がってないって事は、認めたって事で間違いねぇよな?

付き合うって事でイイよな?

もー勝手にさせてもらう。


必死に俺の舌を押し返してくるナルトがたまらなく愛しい。


もう、放す気なんてねぇから。

覚悟しろよ。






そんなワケで

10月10日。

俺たちの拙い『お付き合い』はスタートした。

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