AMOUR(裏夢)

□crazy or usually...?
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そろりと伸びた彼の手が腹部に触れる。
途端に彼女の眉がピクリと動いた。

「待て、一護」

女にしては低い、ハスキーな声音。
軽く腹部に触れていた腕を掴み、押し留める。
窓から差し込む月明かりは一層青白く室内を照らし出していた。

「どうした?」

「…いや…、…少々、気になってな」

その言葉に、一護は彼女──長女の愛海──が言わんとしている事に気付いた。

「悪い、そうだな」

一護が手を退けると、彼女はゆっくりと上体を起こす。
母親に無理を言って買ってもらった天蓋付きの大型ベットが、小さなスプリングを起こした。

「すまないな」

「いや、俺も気付かなくて悪ィ」

優しい手付きで己が腹部を撫でる愛海の表情は、普段より幾分か穏やかな表情をしていた。
今はあまり目立たないが、その胎内には今、1つの命が宿っているのだ。

「シても害はない筈だが…私は医者ではないからな」

「無理すんなよ。お前が気がかりなら、やめていい」

「そうは言うが一護、その股間のモノは自重出来ていないようだが?」

言われてすぐに、そっぽを向く。
こればかりは仕方がない。
何せかれこれ3ヶ月、ご無沙汰なのだ。
漸く到来したチャンスに期待していたのは事実。
ジーパンを押し上げる膨らみに視線を感じて、苦笑いにも似た何かが零れる。

「一護…、」

「寝ときゃあ、治まんだろ」

自分で言いながらあまり自信は持てない。
しかしそれ以外の方法を知らないわけで。

「気にすんな。ガキの為にも、お前も寝ろ」

気遣いは確固。
彼女の身を案じているのは本当なのだから。

内心葛藤している彼の頬に、彼女の手が触れる。

「寝ろ、一護」

「ああ寝るよ…」

「その意味じゃない」

胸の前で腕を組んだ愛海が、視線で促す。

「寝転がれ、と言っているんだ」

「あ?」

「隣で悶々とされていては私も寝れん。いっそスッキリした方がいいというものだ」

半身に寄りかかり両肩に手を置き体重もかけてきたので、されるがままに後ろに身を倒す。
先程とは逆に押し倒される態勢となったわけだが、見下ろしてきた愛海はすぐに上体を彼の上から退ける。

「とりあえず、出せば楽になるだろう」

何だか死刑宣告のように聞こえた。
何をされるのか理解した時にはもう、そのそそり立ったモノはきつい空間から取り出され、天井に向かって突き立っていた。

「ちょッ、おま、」

「大人しくしろ。腹に当たったらどうする」

嗜めてそっとソレに手を伸ばす。
男の其処はデリケートなのだ、女には劣るが。
少し触れただけで筋を浮かべ細かな痙攣を起こすペニスは、まるでそれ自体が別の生き物のよう。

「ッ、う…」

ピチャリ、粘着質な音と下腹部を包む温かく滑(ヌメ)った感触。
下を見やれば屈みこんだ彼女がペニスを咥えこんでいた。
唾液を含んだ舌が裏筋を行き来し、鈴口に舌先を入れたと思えば離れ、また攻め立てる。

「ん、ぅ…ッ」

大きな刺激ではなく、緩やかな、焦らしながらの刺激の方が一護は弱いのだと彼女は熟知している。

「…ッ、く…」

唾液と先走りで濡れたペニスは既に膨張しきっており、僅かな刺激にも反応し、一護を快楽の渦に巻き込んでいく。

「ま、待っ…、」

あまり早く達しては男の沽券に関わる。
極力は我慢しようとするのだが…彼女は、そんな一護を見て楽しんでいる。
鍔迫り合いの状態で先に音を上げるのは、絶対に彼。

「んッ、ッ──!!」

強く鈴口を吸われたところで、我慢の限界も切れた。
ビクンッ、と大きく腰が震え、先端から吐き出された白濁液はそのまま空に散る。

「ふ、ぁ……はぁ、」

「ああ、汚れてしまった」

指についた精液を舌先で掬い取る彼女を見てまた下腹部が反応したのは、当然といえば当然。



((これでも血の繋がった兄姉なんです))

(狂っていると?いや違う)
(私達の中ではこれが《当たり前》だ)
 

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