銀魂夢小説(短編)

□護ってもいいですか?
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――護られるだけは、性に合わないから。

そう言った彼女は胸の前で刀を抱く。
紫煙がくゆり、鼻腔に独特な匂いが香って思わず眉をしかめる。
それを愉快そうに見やる隻眼の男。

「で?何が言いてぇんだよ、おめぇは」

「私が、晋助を護る」

冗談を言っているわけではない。
彼女の瞳は真っ直ぐで、そこには一点の曇りもない。

「いのり、」

高杉は彼女の名を呼ぶ。

「私は、晋助より弱い。それは承知してる」

遮ったのは彼女。

「でも、晋助が、……晋助が、いつか、私の前からいなくなりそうで…怖くて…。だから、私が護る。晋助が私を護ってくれるように」

刀を持つ手が震える。再度名を呼ばれ高杉を見ると、彼は至極愉快そうに喉奥で笑った。

「へぇ、この俺を護るか。…ククッ…酔狂な奴だな」

なら、と次いで紡がれた言葉は、

「背中は預けたぜ、いのり」



((生きるも死ぬも貴方の隣で))
((そう願うのは、我が儘ですか?))
 

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