銀魂夢小説(短編)

□旅行の1コマ
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毎年恒例の修学旅行、
例年通り行き先は京都になった。

いのりはバスの中の皆の喧騒を聞いていた。
楽しげな声は此方の気分も高めてくれる。

おやつのポッキーを食べようと箱を開けた時に、妙に隣が静かなことに気付いた。
隣の男…高杉は先程から微動だにせず、窓枠に肩肘を乗せずっと外の景色を眺めている。

「…晋助、」

呼びかけると気怠さそうに此方を見やった高杉。

「…旅行…つまらない?」

元々彼のような不良がこのような行事に参加するなど思ってもみなかったが、きっとそれは彼女が、いのりがいるからなのだろう。

「…別に」

「京都、嫌い…?」

「嫌いじゃねぇよ」

ド派手な祭りは好きなのだがこういうものとはまた別物なのだろう。
高杉の抑揚のない声が並々冷たく感じ、いのりはしょんぼりと頭を垂れる。

「…何ヘコんでんだよ」

ぴし、と彼の長い指がいのりの額を弾く。

「嫌いじゃねぇっつっただろ」

「でも、晋助つまらなさそうだから…」

「……なら、おめぇが楽しませろ」

するり。
無骨な長い指がポッキーを1本掴む。
いのりに先をくわえさせ、彼は妖しく笑った。

「着くまでポッキーゲームでもしてようぜ」


(はいそこー、イチャコラしなーい)
(邪魔すんじゃねぇよ銀八)
(いのり!アタシとポッキーゲームしようッス!)
(や、駄目だから、いろいろ駄目だから)
 

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