s.short-story

□一瞬の悠久
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春が来て桜が咲くと
僕は毎年思うんだ

どうして君は
出会いと分かれの季節に
一番綺麗な姿でいることを
選んだのかな?

澄んだ空に響く
風が通り抜ける音は
幾度も君の花を散らした

それでも此処に居続けて
何度もまた咲く君に
僕はとても寂しくなるんだ

遠く昔から
君のことを眺めてきた
この島にまだ人が
住んでいた頃からずっと

そろそろ行こうか
足元で子山羊がメェと鳴く
この一瞬が素晴らしく
そしてとても輝かしい今

これが魔法なら
どうか解けないで
この一瞬が僕にとって
かけがえの無い宝物だから…
 

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