short-story

□超次元文化祭!!
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委「さて、俺たちの出し物が決まったところで、助っ人の登場だ」

助っ人…? そいつはいつものように無愛想な様子で教室に入ってきた。教室がザワつく。

風「ご、豪炎寺〜!!?」

豪「よぉ、風丸。…ん?なぜそんなに驚いているんだ?」

風「おかしくないか?お前クラスが違うだろ!?」

委「助っ人制度だ!!!ほかのクラスに貢献してポイントを稼ぐ。同学年のみ有効」

いわゆる出稼ぎか。理事長も細かいな…。制度って…。なんかもうつっこむの疲れた。

風「何にせよ豪炎寺。なぜお前なんだ?引き止めるやつくらいいただろ?」

豪「立候補だからな。円堂は最後までうるさかったが振り切ってきた」

(そっか、だからさっき廊下で円堂が豪炎寺〜って叫ぶ声が聞こえたのか)

豪炎寺がそう言ったとたん、クラスで歓声が起こった。それを慌てて制止する委員長。

委「落ち着け!とりあえず助っ人の紹介は(してないが)終了だ。次は演劇の役だが…」

風「お、おい…役よりも先に何を劇するのか決めるんじゃないのか…」

委「全て決まっているから安心しろ。後は発表だけだ」


・・・・・・・・・。

さっきの歓声はどこに行ったのか、委員長の一言にクラスは静まる。

豪「で、その劇とは何だ?」

一番初めに沈黙を破ったのは豪炎寺だった。委員長はニヤリと笑うと、一冊の絵本を取り出した。

『つるの恩返し』

なぜよりによってこの話!?

委「理由はポピュラーな日本の話でざっくりと簡単にできて…―――

…だから風丸。つるを頼む」

風「おいっ!!どの流れでそうな『さんせーーーい!!!』・・・そうなるんだ」

クラスがまたザワつき始める。女装がどうだの、和服がどうだの 相手は豪炎寺だの…
…!?

風「まてまてまて!!!俺はまだOKしていない!」

委「ふっ、甘いな。さっき言ったろ。『とりあえず、演劇なら全力でできる』と」


しまった〜〜〜!!!


委「メイド案がつぶれたんだ。その辺はしっかりしてくれ。な、豪炎寺も頼む」

豪「あぁ…」

おい豪炎寺、顔を赤らめるな。変な誤解を招く!!!

風「そこまでしてでも内申が欲しいか!!学年トップのくせに… 鬼道!!!」

鬼「委員長と呼べって初めに言っただろう。あと俺が欲しいのは内申じゃない。 優勝だ」


     こうして俺は、今年最大の戦いに身を投じたのだった。


鬼「早速明日からリハーサルだ!みんな、風丸の女装(ver.和服)を」見たくはないか?」

風以外『見た―――――い!!!』

風「悪ノリするな!!それにそのフレーズどこかで聞いたことがあるぞ。豪炎寺もどさくさにまぎれて『見た―――い』とか言うな!!」



                          そして数日後。
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