short-story

□超次元放課後!!
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 〜風丸side〜

 ―雷門中 空き教室―

演劇会が行われたあの日、さらに俺の中から何かが1つ消えた気がする。羞恥?希望?

どちらにしろ最悪だ。

――今日もまた俺たちの元に鬼道からの召集がかかった。

そしてお決まりのように空き教室へと集まっている。メンバーは俺、豪炎寺、鬼道、佐久間の4人だ。…ん?一人足りない。

風「鬼道。宮坂はどうしたんだ?」

鬼「部活だ、あいつは陸上部だろう」

俺が気になって尋ねると鬼道はさも当たり前のことを俺に教えた。

そうだった。ここにいる俺たちはみなサッカー部(帝国含め)だから集まることが出来たのか………。


そうか・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・






・・・ん?




・・・・・。 まて。

何平然と俺は納得しているんだ、このメンバーで集合するってことはもうその時期が来たってことだろう!?

鬼「じゃぁ集まったこのメンバーで今から会議を始める!!議題は『第3弾』についてだ!!」


あ``ぁぁぁぁっ しまった!!これが日常になりつつあったから油断していた!!!今なら逃げ出せるか!?

そう思い俺がそっと足を動かしたまさにその時。

豪「今回は何だ?」

…がしっ。

佐「この前みたいに豪炎寺が最後を持ってくのは無しで頼むぞ」

…がしっ。

両サイドから聞こえるのは俺にとっての悲痛な音。

鬼「善処しよう、だから2人はそのまま風丸が逃げ出さないよう左右からしっかり押さえていてくれ」

豪佐『言われなくても』

あぁぁあぁぁあぁあぁぁぁ!!!!

逃げ遅れた!!

この二人相手に逃げ出そうと本気で思った自分がどうしようもなく愚かに思える。

風「〜…っ!!」

それでも俺は納得がいかない!!

こうなれば鬼道に対して何とでも散々文句を言ってやる!!

そう思い俺が口を開こうかとした時。


鬼「今度逃げようとしたら本当に写真をばら撒くからな」

風「もうしません」


―負けた。

当たる前に砕けてしまった。
本当に俺の立場って一体……。


鬼「分かればいい。それではいつものお決まりにいくとしよう。ゲストの紹介だ!!」


・・・・・がらっ。

絶望している俺をよそに鬼道たちが勝手に進め、ゲストの紹介。教室の前方から新しいメンバーが入ってきた。

!!!!!!

その人物に鬼道以外の俺たち3人は驚愕の叫びを上げる。

豪風佐『えぇぇぇぇぇぇっ!!?』

俺たちの声を聞いて満足そうに鬼道が続けた。


鬼「紹介しよう!!今回のゲスト兼新メンバーはアフロディだ!!!」

ア「よろしくおねがいするよ」

もう訳がわからないっ!!

風「何でお前!?学校違うじゃないか!!」

佐「風丸…それ言ったら俺も該当するから」

佐久間が俺の腕を掴んだまま苦笑する。
その様子を見てアフロディはくすくす笑うと俺の質問に答えた。

ア「鬼道くんに呼ばれたんだ。君たち面白いことをしているじゃないか」

どうやら演劇のことは初めから知っている前提で来たらしいな。でも…。

風「ちっとも面白くなんかないぞ!!」

いつも結局はぐだぐだな演劇で・・・・・・

ア「そう思っているのは多分君だけだと思うよ、文化祭のときなんてすごかったじゃない」

豪「…文化祭のとき?」

アフロディの発言に豪炎寺が反応する。そして俺も気が付いた。

風「え、お前あの時いたのか!!?」

ア「うん、見させてもらったよ」

その言葉に俺は声にならない悲鳴を上げる。

俺のその様子に見かねたのか、佐久間が俺の手を引いてアフロディ、豪炎寺、鬼道から少し離れた席に連れて行った。

佐「とりあえず落ち着け」

風「落ち着いていられるかっ…」

佐「いいから落ち着け」

風「無理だ!」

佐「これやるから食ってさっさと落ち着け」

そう言って半ば無理やり口に入れられたのは一口サイズのチョコレートだった。

あ、これ結構おいしい。
こんなもの持ってきていたのか…。

佐「大丈夫か?」

風「あ、あぁ。ありがとう…でもなんでチョコ?」

佐「お前甘いもの好きだろ?」

風「…あぁそうだけど」

そんなこと何でお前が知っているんだ…?

鬼道辺りが佐久間に教えたんだろうか。第2弾以降ひっきりなしに会っているから自然と分かったのかもしれないな。

頭が少しハッキリしたところで改めてアフロディたちの様子を見ると…。


豪「なぜお前は来たんだ?」

ア「だから鬼道くんに呼ばれて…」

豪「本当は?」

ア「僕の美しさを……」

豪「分かったありがとう」

ア「ちょっと?まだ言い終わってないんだけど。なにその棒読み」


豪炎寺とアフロディが謎のコントを始めていた。
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