△review▽

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枢は研究の末遂に、"吸血鬼の異常な再生能力は何によって止まるか"という問いに対する答えに繋がる可能性を見出します。

そしてそれを始祖の女性に教え…

ここを見ると、始祖の女性は枢の研究の様子をいつも見ていて、枢は彼女に逐一実験の結果報告をしていたという感じ。



そして、隷(しもべ)の数をいたずらに増やす仲間、娘をそうして奪われた人間の母親の姿があり(詳しくは63夜で)、一連のでき事が起こり、
横たわる始祖の女性の前に立ち竦む枢。

彼女は枢の研究結果を知り、枢がしようとしていたことを、してしまう。
枢が彼女との時間を惜しんだ、その隙に。

…自分勝手っちゃあ自分勝手ですよね。
あんなに死にたがってた(?)枢を生かして、自分は先に死ぬなんて。

しかし、枢にとっては、"命の価値"を知る機会になったのでは?とも思う。

まぁ、今現在(72夜現在)純血種を非情に殺し回ってる枢を見てて言うかー!!!って感じですけど、あれには優姫のため、またそれだけに止まらない何らかの納得できる理由があると信じてますから!

同時にハンターの誕生。

彼女が心臓を投げ入れた炉から武器を造らせ、悪事を働く吸血鬼等を共に葬る。

戦いの後、ひとり立ち竦む始祖枢。
その手にはアルテミス。
最も、"アルテミス"という名前は、優姫が付けたようなものです。

始祖枢と優姫の出会い。

優姫が踏んだ鏡は、いつか優姫が枢の血を飲んだときに視たものと同じでしょうか?
これはけっこう大切なポイントかもしれません。

現在が過去に影響し、過去が現在に影響し…
こういう描写は好きですが、考え出すとハマって行っちゃいますね。
メビウスの輪に。

アルテミスとブラッディーローズ(たぶん)を手にした枢。

「…もう ほとんど感情を感じ取れない…」

始めは、武器となっても始祖の女性の意志は生きていたんでしょうね。
枢も、初めはそれを"彼女そのもの"であると思う気持ちがあったかもしれません。
しかし段々と少しずつ、武器は"ただの"武器になっていく…
彼女の感情が消え武器になっていくそれを、戦いながら枢も感じ取っていた。

"彼女そのもの"であるはずの武器を、しかし感情も感じ取れなくなってしまった今、"彼女そのもの"と言うには枢にとってあまりに酷な事であるという事は想像に難くない。

これは彼女じゃない。
そういう気持ちの変化、流れからの「武器は武器」発言、また、

「誰も 誰かの替わりにはなれないんだよ」

という言葉があったのではないでしょうか。

ここで問題になってくるのが、"枢にとって優姫は、あの始祖の女性の替わりなのか?"という事だと思います。

枢は確かに、誰も誰かの替わりにはなれない、と言っている。

しかし、李土の陰謀によって"永遠に目覚めるつもりのない眠り"から目覚め、"邪魔な記憶"を閉じ込めたにも関わらず、
「どこかで視た事のある瞳」
「今度こそ守り抜こうと思った」
というモノローグ。

これは、以前に同じような"別の"ものを見たからこその思いな訳であって。
そこに係っているのは、あの始祖の女性なのでは…?

なんて非常に不安になる訳であります。

もちろん、アルテミスを名付けた場面で始祖枢と優姫は出会っているわけですが。
そこが係っているという可能性は、前述の事と比べると低い。

結局"替わり"なんじゃーん!!orz
…というふうに、ここだけ読めば取れる。



しかし実際問題、今まで散々優姫に対して、"これこそが無償の愛"と言っても過言ではない程の愛を示し続けてきたのに、今になって"優姫は始祖のあの女性の替わり"なんて展開にはならないはずなんです。

いやきっと。そう信じたい。

まぁそこもあんまり追い込むといろんな意味でメビウスの輪なので。
枢の真意は作者様の手中です。

そしてそして、枢の記憶の旅の最後、閉じた扉。

この扉は、何気に(何気じゃない?)これから先のキーポイントになりそうです。
66夜で、枢が優姫に「大切なものだから」と言って渡した鍵。
この鍵とリンクする気配が…

張り巡らされた伏線…
楽しいです。

…結局"楽しい"で終わる…






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