陰陽師SS

□髪
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晴明は眠っている。

俺は濡れ縁で酒を飲みながら、晴明が目覚めるのを待っていた。

幻角と戦い、胸を貫かれた。
そこは痣があるだけになっている。

晴明の寝顔を、初めて見た。
白い肌、赤い唇、艶やかなおろされた髪…疲労から、面持ちは少しやつれている。


ふわりと、美しい蝶が現れた。

「蜜虫!」

蜜虫は、晴明の式神である。

彼女が現れるということは、もしや…

「晴明!」

慌てて駆け寄り顔を覗く。

ゆっくりと目が開き、俺を見やると、うっすらと口元が微笑った。

どきり

その瞬間、なんだか心の臓が跳ねたように熱くなった。
安堵と、嬉しさと、愛おしさと、少しの興奮。

両肘をつきながら上体を起こした晴明。
布擦れの音をたてながら、薄い着流しが
「大丈夫か、晴明」
「だるい…」

「肩を貸してくれ、博雅」
そう言いながら、背を預けてきた。

ぴくり

晴明は太陽のような香りがする。

そわそわ

美しい晴明が、おれに
「…」
「…」
すっと晴明が離れ、立ち上がり
「すまん、博雅」
「え?」
「狐に寄り添われたら、気持ち悪いよな」
「な!?」





「晴明、触れてもよいか」

頬に、触れた。

「…どうした、おれが生きているのを確かめでもしているのか?」

艶やかな髪に、触れた。

赤い唇に、触れた。




「博雅、お前になら、」

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●後書き●
書きかけです
映画「陰陽師U」より、巫女姿の晴明にあてられて(?)初Hに至らせてみるつもりです^o^

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