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□夢に堕ちる
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最後の日も、君の腕の中で夢に堕ちたい。


眠る一秒前などいつも覚えていなくて、幸せだったのかどうかもわからない。
きっと、君だけが知っているのだろう。



俺はその最後の瞬間まで見たくて我慢をするのだけど、そっと目をおおわれてそのあとは全く覚えてなどいない。

「ずるい、エリックは…」

「どこが?」

いつもの言葉遊び。

仕掛けては、俺は目を閉じる。
その声に身を委ねるため。

「全部」

「全部?」

声の波が俺をさらう。
何度でもさらわれて心地よくて、最後はおうむ返しになって意味など成さなくなる。




幸せの一歩手前で眠りに堕ちる。


羽根の柔らかさ、シーツの波のなかで俺はきっと最上の笑みを湛えているのだろう。


Fin.
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