long・(水+阿+巣)→栄
□それもみんな君のせい
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「栄口、暴れないで。痛い思いさせたくないんだ。おとなしくして」
やみくもに振り回される手足をなんとか押さえつけて体重をかける。
精一杯怖い声を出して脅したのに、組みしいた栄口は言うことを聞いてくれなくて泣きたくなった。
「やだ、…っなせ」
細い手首を力いっぱい握りしめると骨が折れてしまいそうで、心配でたまらない。
「頼むから、ーー酷いことしたくないんだ」
「やっ、離せよ…っ」
なのに栄口は涙の滲んだ目で俺を睨んで、抵抗し続ける。
「お願いだから……、言うこと聞いて、栄口」
首筋に顔を埋めて懇願する。
「やだっ、水谷、やめろって」
「っ…!」
押さえつけていた栄口の手が渾身の力で俺から逃れて、頬をガリリと引っ掻いた。
一瞬の隙をついて躯を跳ね除けられる。
やだやだやだやだっ、行かないでよ栄口。
よろめきながら立ち上がった栄口の膝をすがり付くように抱え込んだーーーー。
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