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□酔って砂上に伏すなかれ
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「♪あるうひぃ〜 っもりのなっか くまさんにぃ でああったー」
耳元でがなりたてる阿部の声がうるさい。
玄関に倒れ込むようにして入ってきた体をなんとか支えて、ずるずる引きずるように廊下を進む。
お前も歌えー!って言われて仕方なく、「♪あるぅ日、森の中〜」と繰り返す。
この酔っぱらいめ。
重いつーの。
ドサッと二人してベッドにもつれ込む。
「♪おじょうさん おにげなさい」
あー、はいはい言われなくたって逃げますよーだ、ーーって、離せよ。
背後からがっちり抱え抱え込まれて身動きできない。
熱い息が耳にかかって……。
「…んンっ」
シャツの裾から忍び込んできた手に脇腹から胸を撫で上げられる。
「や、めろ…よ…っ」
胸の尖りを見つけた指先が気ままに動き出す。
「ン、あっ、ぁ…」
「♪ところが くまさんがぁ あとからぁ っついてくるっ」
なぁ、なんで、逃げろつっといて追いかけるんだ?って、耳に舌を差し入れて聞かれても、答えようがない。
「や、…ン、ぁ、あ…」
「あれか、イヤだって言いながら、俺をくわえ込んで離さない、お前のアソコみたいな感じか」
ンの、バカっ。
死ね!
豆腐の角に頭ぶつけてしまえっ。
抗う体に容赦なくのし掛かってくる阿部の体。
軟体動物のように蠢き、耳を侵す熱い舌がたてるやらしい水音に、じんと背骨を甘い疼きが駆け上がる。
「っ、あ、べ……」
胸を弄っていないほうの手が芯を持ち始めた俺の熱をやんわりとにぎりこんで……
耳元で聞こえる、阿部の気持ちよさそうな、……寝息。
ーー寝息!?
信じられない思いで身を起こす。
ずる、と俺の上から滑り落ちる阿部の体。
くーかくーか、幸せそうなーーいいや、アホづら晒して寝入ってる。
「あ、あべ?」
嘘だろ、と呟く。
信じられない…、こんなーー、人の体に火をつけといて……。
ぺちぺちと頬を叩く。
返ってきたのはーー
「♪…ら、……さのさー」
もっ、バカっ。
誰が歌ってなんかやるもんか。
ーー俺…、どうしたらいいんだよ……。
眠りについた阿部の手に今だ握りこまれた俺自身はこのままおとなしく眠ってくれそうにない。
ーー誘惑に負けて目を瞑る。
「ふっ…ぁ…」
阿部の手の上に自分の手を重ねて自身を慰める。
「…くぅ、ん…っ、ぁ」
寂しかったんだから、ずっと。
実験だ、レポートだって、大学に泊まり込みで。
「あ、あ…ふぇっ、」
きゅって胸の先端を摘まむと自然と腰が揺れた。
今日で終わったから早く帰るって言ったのに。
『わりぃ、ゼミの仲間と打ち上げになった。けど、すぐ帰るから待ってろ』
って、なにべろんべろんになって、帰って来てるんだよ。
「あ、べ…、きも…ち、ぃ…」
ぬちゅぬちゅし出す尖端、阿部のかさつく指先を操って、円を描くように塗り広げていくぬめり。
、
「あ…ン、だ…め…、だめぇ、はぁ…っ、」
いけないことしてるって思うほど、止まらない。先走りで滑りがよくなった阿部の手を懸命に動かして、擦りつけるように腰を動かす。
「くっ、ンん…っ」
だって、阿部が悪いン、だ…ぁ。
「ぁべの、ばかぁ…」
「……悪かったな」
「!」
閉じていた目を見開くと、快楽に滲む視界に、楽しくて堪らないって人の悪い笑みを浮かべて俺を見てる阿部の顔。
「やっ、ちがっ」
「うん?」
俺が悪いから、お前はこんなになってんだよなって、ぐちゅぐちゅと音を立てて擦り上げられる。
「あ、あ、あっ、いっ…」
手の位置を入れ換えられて、直接に触れる自身の熱塊。
「ひぁあ、は…っ」
さっきまで操っていた阿部の手に導かれて、自身を追い詰めていく俺の右手。
朱に染まってるだろう頬が熱い。
恥ずかしいのに、気持ち良くて止められない。
「あべ、もっ、ダメ。出ちゃ…ぅ」
出せよ、って耳を甘く噛まれて、ビュクビュクと放出する欲望。
あぁ、濃いのが出たな。
ずっと我慢してたんだ?
気持ちかった?
ーー答えらない質問を平然としてくる理系の男なんて大嫌いだ。
酔っぱらいのくせに。
荒い息のまま涙目で睨むと「ごめんな」と酒臭いキスされた。
もう一回、抱き締めてキスしてくれたら許してやろうと思った。
………………
可愛く歌ちゃった栄口くん。
酔っぱらいゆーと先生と逆バージョンを目指してみました。